へびが好きな人っていますか?
もしかしたら、本物のへびを見たことない人もいるのかな?
へびを見たことがあるという人も、だいたいへびとの出会いはこんな感じ。
まず、へびって突然現れますよね(笑)
びっくりして、後ずさりして、ギャっと叫んでいる間に、す~とまたどこかに行ってしまう。
へびをじっくり見たことのある、へびに触ったことのある人はかなり少ないのでは?
ましてへびと戦った、へびと暮らしたことのある人はほとんどいないですよね。
決して愛らしくて人気者とは言えない”へび”が活躍?する本なのに、フランスのおしゃれな雰囲気がダダ洩れの不思議な絵本があります。
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『へびのクリクター』
【著者】トミー・ウンゲラー 中野完二(訳)
【出版社】文化出版局
ブラジルに住む息子からプレゼントされた”へび”にクリクターと名付けて可愛がる、上品なマダムのボドさんがキュートです。
ボドさん、まず、へびが毒へびじゃないか確かめるなんて、ちょっとリアルで笑えましたよ。
ただ、その後は子どもが好きな絵本らしい展開になっていきますよ。
ボドさんのへびの可愛がりかたもおもしろいですし、へびのクリクターがみんなの人気者になるのも笑えます。
ボドさんとボドさんの周りの人々は、私のもつフランス人のイメージそのまんま。
フランス人って人と違ったものが好きで、自分らしさを大事にしている生き方をしているイメージがあります。
だから、ボドさんとへびの関係が違和感がなく楽しめてしまうのかな。
『へびのクリクター』を読んだら、フランスでは犬を飼うように、へびを飼って可愛がっているマダムが街中にあちこちにいるように思えますよ(笑)
ちなみに、日本でへびを飼っているおばあさんのお話になると、へびは大蛇だよね。きっと。
すてきなフランス
ボドさんのお宅も、へびのクリクターのベッドも部屋も
ボドさんやへびと遊ぶ子どもたちの洋服、配達のおじさんも、ボドさんの息子さん、警察官も衣装も
カフェも街並みも
どれもとってもステキです。
フランスの雰囲気がたっぷりなので、絵本を読んでいる間は、自分もパリに住んでいるような気分になれますよ。
落ち着いた色
絵本の中は、白と黒が基本になっていて、グリーンとうすい赤(ほぼピンク)だけが彩色されています。
表紙で使われている色合いがそのまま、絵本の中でも展開されていますよ。
なので、かなりスッキリしています。
それがまた、おしゃれなんですよ!
大人も何度も何度も読みたくなる絵本です。
へびがどんどん可愛くなっていく
ほんとうに不思議なんですが、へびのクリクターが読めば読むほど可愛くなってきます。
最初は、へびを母親に贈るなんてへんちくりんな息子だ、へびってニョロニョロしていて気持ちわるいと思っていたのに(笑)
ページごとにちょっとずつ違う表情をみせてくれるクリクター、なんて可愛いんでしょう!
今では、自分もへび飼ってみたいかもと思うくらいに。
なので、子どもと一緒に読んだら、子どもたちはぜったい「へび飼いたい」って言いだすと思いますよ。
トミー・ウンゲラーさん
作者のトミー・ウンゲラーさん(1931年 – 2019年)は、フランス人児童文学作家、イラストレーターの男性です。
繊細なタッチの絵や、おしゃれな衣装を描いていたので女性だと思っていたので、びっくりしました。
1998年には、子どもの本のノーベル賞ともいわれている国際アンデルセン賞画家賞を受賞しています。
トミーさんの代表作『すてきな三にんぐみ』もかっこいい表紙で興味がわいてきました。
基本情報
●フランスの絵本
●文字:ひらがな カタカナ 漢字(一と人だけ) カタカナと漢字はフリガナあり
●文字量:少な目~ほどほど
●絵:ペン描きのような細い線で描かれた絵に着色は3色(黒・緑・赤)のみ
●対象者:自分で読むなら6歳ぐらいから
☆大人におすすめ絵本 ユニークな暮らしをするへびになぜか癒されます
●ページ数:32ページ
●サイズ:縦27.2 x 横20.1cm
まとめ
『へびのクリクター』は、フランスの愉快なおしゃれ感を味わえる絵本でした。
シンプルな絵が、へびのユニークさをひきたててくれます。
フランスにはへびを飼っているマダムが普通にいるように思えてしまうほど、楽しめましたよ。
読み終わったら、子どもから「へびを飼いたい」とせがまれるかもしれませんね(笑)。
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