あなたには世のなかをもっと美しくする力がありますか?
と聞かれたら、たいていの人は「NO!」と答えるのではないでしょうか。
もちろん私も「そんな力は私には無いよ」「そんな大それたこと考えたこともない!」と答えます。
でも、この絵本を読み終わったら「あれ?もしかしたら、私にもできるかも?」と思わせてくれるはずです。
一生涯手元に置いて読み続けたい、おばあちゃんになっても読みたいと思ったほどステキな絵本を紹介しますね。
『ルピナスさん 小さなおばあさんのお話』
【著者】作:バーバラ・クーニー 訳: 掛川 恭子
【出版社】ほるぷ出版
表紙に描かれている、海を見下ろす丘の上に立つおばあさんがルピナスさんです。
見た目はふつうのおばあちゃん。
ルピナスさんは、子どもの頃に大好きなおじいさんと約束した3つのことをひとつひとつ叶えていきます。
2つの約束(夢)は叶えましたが最後のひとつは難しく、どうしていいかすらわかりません。
最後のひとつは「世のなかをもっと美しくする」です。
とっても難しいことだけど。
ルピナスさんはこの難しい約束(夢)を果たせるのでしょうか?
目指せルピナスさん!「世のなかをもっと美しくする」
不老のクスリをつくる
AI革命を起こす
といった今の世界を大ドンデン返しさせる発明で、世界を変えるようなことはできないかもしれないけれど。
『ルピナスさん』は自分らしいやり方で「世のなかをもっと美しくする」方法をかんがえました。
これを読んだときに、人はそれぞれ、その人らしく世界の中で生きて、「世のなかをもっと美しくする」力を持っているのだと思いました。
例えば自分の周りを変える、自分の家・家族を変える、もっと小さく自分自身を美しく変えるだけでも、世界を美しく変える小さな一歩を踏み出しすことになりますよね。
自分が自分の今できることで、すこしでも誰かを幸せにしたいと願うことが、世のなかをもっと美しくすることなのかなと思います。
私でも出来そうな気がしてきましたよ。
一生涯読み続けたい絵本
子どもの頃に読んだ人も、また大人になったらぜひこの絵本を読んでほしいと思います。
大人になって読むと、ルピナスさんの人生と自分の生き方を比べて読めるようになるからです。
ルピナスさんが大事にしたお花と同じように、人間のそれぞれの時代に合わせた美しさがある気がします。
芽生えて、茎をのばして、葉をつけて、つぼみをつけて、花が開く。
花が開いたあとは、種をつくり次世代へ美しさをつないでいきます。
どんな花でも美しさがあるように、私たち人間にもひとりひとり美しさを持っているし、どんな世代であろうとその世代にあった美しさはあるんですよね
子ども時代のかわいらしさと、どんなことでも夢をみられる無邪気さ
若い時のみずみずしく元気いっぱい、夢を現実で体験できる力
年をある程度とったときには今までの経験からくる強さや美しさがオーラとして現れ、自分のできる力で、身近なところで何かをかなえようとする意志
人間も花のように、突然美しい花が咲くわけではないですよね。
大人になった今、さらに年をとっておばあちゃんになったらまた読みたいなと思っています。
バーバラ・クーニーさん
作者のバーバラ・クーニー(1917年 - 2000年)さんは、アメリカ人児童文学作家であり、イラストレーター。
1959年と1980年にコールデコット賞、1983年に全米図書賞を受賞した
コールデコット賞は、児童図書館協会が、アメリカ合衆国でその年に出版された最も優れた子ども向け絵本に毎年授与している賞。ニューベリー賞と並んで、アメリカで最も権威のある児童書の賞です。
1980年『にぐるまひいて』と1959年『チャンティクリアときつね』で、コールデコット賞をなんと2回も受賞している著名な人です。
バーバラさんの絵は板に水彩絵の具で描き、いろえんぴつでアクセントをつけるという独特な画法をつかっているそうです。
とってもやわらかな美しい絵が特徴ですよ。
基本情報
文字:かんたんな漢字あり(ひらがな付き)
文字量:多め
絵:ページごとに広がる美しいやわらかな色合いの絵
対象年齢:4.5歳から(とあるが、4.5歳で自分読むのは難しいかな)
☆大人におすすめ絵本
ページ数:32ページ
本のサイズ:縦21×横27cm
まとめ
『ルピナスさん 小さなおばあさんのお話』は、おばあちゃんになっても読みたい、一生涯手元に置いて読み続けたい絵本です。
自分が自分の今できることで、すこしでも誰かを幸せにしたいと願うことが、世の中を美しくすることなんではないかなと思いました。
まず私は、おいしい夕飯をつくって家族に幸せな気持ちになってもらおうと思いましたよ。
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