【ブダペスト展】新国立美術館(六本木)
六本木にある新国立美術館で開催中の「ブダペスト国立西洋美術館 & ハンガリー・ナショナル・ギャラリー所蔵 ブダペスト―ヨーロッパとハンガリーの美術400年」を鑑賞してきました。
実際に行ってみた感想やおすすめ作品を紹介します。
地理が苦手で恥ずかしながら数年前にブダペストがハンガリーの首都ということを知ったくらいの無知なレベルの私が行っても楽しめるくらい、日本ではなじみのない画家の作品も多く新しいアートの世界が広がっていましたよ。
ハンガリーは作曲家リストを生んだ国。
音声ガイドを借りてリストの音楽を楽しみながらブダペスト展で作品を鑑賞するのをおすすめします。
【ブダペスト展】混雑状況
私が展覧会に行った日
日にち:展覧会始まって2週目
曜日:ふつうの水曜日
時間:ちょうどお昼12時ごろ
天気:晴れ 暖かい日
混雑予想:爆発的な人気があるわけではなさそう。
当日の混雑状況
混雑はしていませんでした。
新国立美術館は広い展示会場なので、ある程度の人が集まっていても空いているような雰囲気になります。
ほとんどの作品をセンター位置で独占して鑑賞できました。
ちょうどランチタイムだったからかサラリーマンらしきおじさんが一人で鑑賞している姿がチラチラありました。
この後の混雑予想
このままの状況でいえば列をなして人がわんさか押し寄せるような混雑になることはない気がします。
一番混雑しそうなのは年末年始の休みとおもいきや年末年始2019年12月24日(火)~2020年1月7日(火)休館ですのでお気をつけください。
期間が3月16日までと長めなので、一番混雑してくるのは会期終了間際ではないでしょうか。
混雑を避けたねらい目
私の考えた混雑を避けた鑑賞のねらい目は平日の午前中。
六本木というおしゃれタウンは全体的に朝がゆっくりなので午後から来る人が多そうな気がします。
ちなみに新国立美術館は火曜日が休みなので気をつけてくださいね。
一番の混雑はどこ?
今回は空いていたため特に混雑していた場所はありませんでした。
人気になりそうな作品なのか、作品の前のスペースが大きくなっていたのは
《紫のドレスの婦人》 シニェイ・メルシェ・パール
《フランツ・リストの肖像》 ムンカーチ・ミハーイ
《聖小ヤコブ》 エル・グレコ
でしたよ。
☝《聖小ヤコブ》エル・グレコ (パンフレット部分より)
【ブダペスト展】感想・みどころ
ルネサンスから20世紀初頭までの400年にわたる西洋美術の歴史が見られます。
展示作品はハンガリー最大の美術館であるブダペスト国立西洋美術館とハンガリー・ナショナル・ギャラリーのコレクションになります。
展示数は130点と多めです。
美術初心者でも知っている巨匠たちの作品や教科書で見たことのある名作といった作品は少なめで、日本ではなじみのない画家の作品が多めです。
前半は古典的な作品宗教画や神話が多数展示されてるので、西洋絵画らしいな~、宗教画は難しいな~と思いながら進んでいると。
後半は一気に垢ぬけます!
世紀末あたりの作品から現代風で自分の家に飾りたくなるようなおしゃれな作品がどんどん登場します。
今まで知らなかった新しいハンガリー絵画の新しい世界に
踏み入れたような気分になります。
☝このあたりの作品からが”おもしろい”
見どころは後半!
体力と時間をたっぷり残しておいてくださいね。
【ブダペスト展】 展覧会会場の流れ
400年の歴史を一気にめぐるのですから見ごたえたっぷりです。
鑑賞する時間があまりない人には自分が見たい部分を事前に目星をつけておくことをおすすめします。
1 ルネサンスから18世紀まで
①ドイツとネーデルランドの絵画
クラーナハの《不釣り合いなカップル》が登場
②イタリア絵画
聖母子、受胎告知の作品が並びます。巨匠ティツィアーノの作品もあり
③黄金時代のオランダ絵画
ヤン・ステーンの《田舎の結婚式》といった一般市民の生活も描かれた作品がでている
④スペイン絵画 黄金時代からゴヤまで
エル・グレコ《聖小ヤコブ》はここに展示
当時のヨーロッパの中心といえばスペイン!どことなくゴージャスな作品多め
⑤ネ―デルランドとイタリアの静物画
果物や花などの静物画
⑥17~18世紀のヨーロッパ都市と風景
自然や建築物の絵画
⑦17~18世紀のハンガリー王国の絵画技術
⑧彫刻
2 19世紀・20世紀
①ビーダーマイアー
19世紀前半の、ごくごく普通の人たちの生活様式が絵画の題材になったもの。
②レアリスム 風俗画と肖像画
本を読む女性が登場
王族や貴族の男性や女性だけでなく、ふつうの人たちも字を読め本を楽しむようになっていることに感動。
ルノワールやピサロの作品もここに展示されている
パンフレットの作品《紫のドレスの婦人》もここで登場。ハンガリーのモナ・リザとよばれているそう。
③戸外制作の絵画
モネの作品が見られる
④自然主義
⑤世紀末 神話、寓意、象徴主義
このあたりからおもしろくなってきます
現代風のおしゃれな作品が多め
⑥ポスト印象派
ドニなどのナビ派系の作品が楽しめる
⑦20世紀初頭の美術 表現主義、構成主義、アール・デコ
大きめの作品が多くあり迫力満点
【ブダペスト展】お楽しみ
お楽しみ1 音声ガイド
有料:550円
この音声ガイドを目当てに展覧会を見に来ている人もいるのかもしれません。
音声ガイドのナビゲーターはピアニストの金子三勇士さん。
金子さんは2019年に話題になった映画『蜜蜂と遠雷』に登場するピアニストの一人、マサル・カルロス・レヴィ・アナトールのピアノ演奏を担当したことでもゆうめいです。
ハンガリー人の母をもち6歳でハンガリーに渡り音楽を学んだそうです。
音声ガイドを利用すれば、金子さんの演奏する素敵なピアノの音をバックにして、絵画の説明を聞きながら絵画鑑賞が楽しめます。
音楽とアートを同時に鑑賞するという贅沢な体験があじわえますよ。
お楽しみ2 作曲家リストの音楽とアート
音楽とブダベスト展を楽しもうと思ったら見逃せない作品《フランツ・リストの肖像》ムンカーチ・ミハーイがあります。
私はムンカーチ・ミハーイという画家は知らなかったのですが。
彼はリストと親交があった画家で、リストはムンカーチ・ミハーイへ「ハンガリー狂詩曲第16番」を作曲し、その後お礼にムンカーチ・ミハーイはこの作品を描いたそうです。
この作品が仕上がった4か月後にリストは亡くなったため、この作品が最後の肖像画だそう。
ダークな背景に気難しそうなリストの姿。
全体的にあまりにもダークでピアノの白い鍵盤とリストの座る椅子の背もたれの赤が浮かび上がってきます。
巨匠的オーラが作品からあふれていますね。
若い頃は美男子であまたの女性とのうわさがあったというリスト。
私は若い頃の細い女性ぽい姿の肖像画しか見たことのなかったのでこの肖像画にちょっと驚きました。
音声ガイドを借りれば、この作品を見ながら金子さんの弾くリスト「ハンガリー狂詩曲第16番」を聴けます。
贅沢な絵画鑑賞ができますよ。
『音楽で楽しむ名画』絵画と音楽が楽しめる本もあります。リストの若い頃の話も書かれていますよ。
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お楽しみ3 動物さがし
これは子どもと一緒に鑑賞しに行くときにぜひ楽しんでほしい楽しみです。
ブダベスト展での展示は日本ではなじみのない作品が多いので美術初心者や子どもにとっては楽しみ方がわからないく退屈してしまうかもしれません。
私も美術に詳しくはないので、馴染みのないブダベスト展をどうにか楽しもうと今回は”動物探し”をしながら絵画鑑賞を楽しんでみました。
最初の方では犬や猫、後半では鳥などがたくさん登場しますよ。探してみてくださいね。
アートの専門的なことはわからなくても、自分なりに絵画鑑賞を楽しみたいですよね。
所要時間
私の場合は1時間くらい
音声ガイドを聞きながら、彫刻はほぼちらっと見ただけ、オリジナルグッズをのぞいての所要時間です。
この後に予定があったため1時間で切り上げてしまいましたが、できるなら後半部分をもっとのんびりと楽しみたかったな~と思っています。
音声ガイドの金子さんのピアノも、もう一回聴きたかったですね。
【ブダペスト展】基本情報
・会期:2019年12月4日(水)~2020年3月16日(月)
毎週火曜日、年末年始2019年12月24日(火)~2020年1月7日(火)休館
※ただし、2月11日(火・祝)は開館、2月12日(水)は休館
・会場:国立新美術館 企画展示室1E 〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2
・チケット:当日一般1700円
▼▼詳細は【ブダペスト展】公式ホームページをみてください。
公式ホームページで展示品の予習しておくのもおすすめです。
まとめ・感想
いかがでしたか?
【ブダペスト展】はヨーロッパ絵画の歴史400年が一気に楽しめる展覧会です。
それだけにボリューム満点で、アート鑑賞に慣れてないと前半で疲れ切ってしまう可能性ものあります。
後半の作品が新鮮でおもしろいので、できるかぎり後半に体力を温存しておくことをおすすめします。
なんといってもブダベスト展はリストを聴きながら作品を鑑賞するのがおすすめ。
音楽とアートを同時に楽しめる贅沢な時間がここで過ごせます。
*今ブログの写真は【ブダペスト展】パンフレットのものです。
*参考:【ブダペスト展】パンフレット・公式ホームページ
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美術展巡りの計画を立てる参考におすすめですよ。
(ブダベスト展についての記事はありませんでしたが)
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▼2019年から2020年にかけて楽しめる展覧会はこちらですよ。
2020年1月20日まで「吉野石膏コレクション展」
2020年1月13日まで「ゴッホ展」