2019年10月22日更新
「コートールド美術館展」混雑してでも見たい10の理由を記事に追加しました。
「コートールド美術館展」東京都美術館(上野)
モネ、ルノワール、ドガ、ゴーガン、美術に疎い人でも名前くらいは聞いたことがあるはず。
この秋世界的に有名な画家たちの名画が“とある事情”で上野の東京都美術館にそろって来日しているのです。この貴重な機会は絶対に見逃せません。
「コートールド美術館展」の今しかない!混雑してでもぜひ見たい10の理由を紹介しますね。名作ぞろいの「コートールド美術館展」で感動をぜひ味わいましょう。
「コートールド美術館展」混雑状況
☝展覧会パンフレット
当日の混雑具合
展覧会がはじまってすぐ、平日火曜日の3時半ごろに会場に入りました。
初日だったこともあり、まだまだ混雑には程遠いかなと感じるほどの人ごみ、マイペースで鑑賞できるほどの混雑具合でした。
入場時間に夕方を狙ったことがよかったのかもしれません。
平日の夕方(4時過ぎぐらい~最終入館時刻まで)は、混雑をさけるのにはおすすめの時間帯です。
展示作品は60点ほどでそれほど多くないので会場内はゆったりと作品が展示されています。通路も広いので混雑が始まってもそれほど窮屈感は感じないと思われます。
この後の混雑予想
まずは9月の3連休に第一弾の混雑の波がきて、あとは会期終了までコンスタントに混雑しそう。
10月には同じ上野公園内にある上野の森美術館で『ゴッホ展』、西洋美術館では『ハプスブルグ展』が始まりますので、それらとまとめて鑑賞する人たちも増えることが予想されます。
ぜったいに混雑するのが第3水曜の「シルバーデー」(今回は9/18、10/16、11/20)。65歳以上の人は無料なので、この日は大混雑が予想されます。
一番の混雑はどこ?
今回の目玉作品でもあるマネの作品《フォリー=ベルジェールのバー》の前には常に多くの人が集まっていました。
この作品は作品自体が大きく展示スペースも広く確保されていますので、多少混んでいても見やすかったです。
意外な人気だったのはアンリ・ルソー《税関》
ルソー好きの私もじっくりと見たかったのですが、なかなか好位置で見ることができずに苦戦しました。
人が多く集まっているというよりも、ルソー作品をじっくり楽しんでいる人が多かったため混んでしまっていたようです。
知っておきたいコートールド美術館の基礎知識
美術館の創設者サミュエル・コートールド(1876-1947)はイギリスの実業家。
1920年代を中心にフランス近代絵画の精力的な収集を行いました。
1922年コートールドさん46歳、コレクション第1号はルノワール晩年の作《靴ひもを結ぶ女》。ルノワールが亡くなってまだ3年だったそう。
★混雑してでも見るべき理由★
コートールドは、評価の定まっていない自分とほぼ同時代に生きた画家たちの作品を多く収集しているのです。彼の美術を見る目のすばらしさに感動しますよ。
1932年にはロンドン大学に美術研究所にコレクションを寄贈、研究所はコートールド美術研究所となり、その展示施設としてコートールド美術館が誕生しました。
★混雑してでも見るべき理由★
コートールド美術館の改修工事のために、信じられないような名作が来日しています。
「コートールド美術館展」見どころポイント
☝展覧会パンフレット(部分)
★混雑してでも見るべき理由★
人気の高い印象派~ポスト印象派の巨匠たちの作品が展示されています。しかも名作ばかりでまるで美術の教科書を見ている感じです。
第1章 画家の言葉から読み解く
いきなりゴッホ、モネの作品が!
今回の展覧会で見られるゴッホはこの1枚だけなので見忘れなく。
★混雑してでも見るべき理由★
第1章の後半はセザンヌ特集
「こんなに一気にセザンヌ作品をまとめてみることがあったかしら?」と思うほど。
コートールドさんが一番多く作品を収集した画家がセザンヌだそうで、コートールドさんのセザンヌへの愛を感じます。
第2章 時代背景から読み解く
マネ、モネ、ピサロ、シスレーなど。こちらにもスーパースター画家の作品が並びます。
隠れ人気のアンリ・ルソーの作品もここに。ルソーの作品はこの1枚だけですので要チェックです。
ちなみにコートールドさんが収集したルソーの作品はこの1枚だけだったそう。あまり好みのタイプではないのかもしれませんね。
★混雑してでも見るべき理由★
第2章の中盤はルノワール特集
コートールドさんはルノワールもお好きだったようでルノワールの作品も多く展示されています。
☝特に《桟敷席》は要チェック作品
第2章の後半にもドガ、ロートレック、マネと見ごたえたっぷりの作品が続きます。
この章の最後には今回の目玉作品マネ《フォリー=ベルジェールのバー》が登場しますよ。
第3章素材・技法から読み解く
ゴーガンの作品2点が強烈です。コートールド美術館は英国随一のゴーガン・コレクションを有しています。
スーラの点描画法も見逃せませんし、ポスト印象派以後の次世代の画家たちボナール、モディリアーニの作品も楽しめます。
「コートールド美術館展」のお楽しみ
コールド美術研究所ならではの作品を深堀
代表的な作品には絵画から見える時代背景や絵画技法、作品の特徴、科学的研究データ結果などが絵画とは別に大きく展示されています。
絵画作品といっしょに見比べてみるのがおすすめです。
人間の目でただみるだけでは見えてこない絵画の秘密がみえてきますよ。
★混雑してでも見るべき理由★
今展覧会ではコートールド美術館は研究機関であるコートールド美術研究所の科学的なデータにより”絵画を深読みする”という絵画の見方が楽しめる展示方法になっています。
ありえない巨匠の名画が来日
☝展覧会パンフレット(部分)
展覧会会場には「世界にはこんな画家もいるんだな~」なんて悠長なことを思うこともないぐらい、美術初心者でも「美術の教科書で習いましたよね?この画家」たちが勢揃いしています。
会場中にモネ、マネ、ルノワール、ドガ、セザンヌ、ゴーガンあげればきりがないほど巨匠たちの名画が並んでいます。
★混雑してでも見るべき理由★
もしかしたらあなたは巨匠の作品でも「失敗しちゃったのかな?」と思う作品に出会う経験をしたことがあるかもしれません。
でも今回はそんな心配はまったくありません。
おどろくほど、どの作品も「やっぱり巨匠だ」と思う名画ばかりです。
音声ガイド
音声ガイドのナビゲーターは三浦春馬さん。
彼のやさしい声で作品鑑賞を楽しめます。
作品ガイドのほかに音楽だけを楽しめる音楽トラック2曲も入っています。
エマニュエル・シャブリエ「スペイン狂詩曲」
フレデリック・ディーリアス「断片第3曲」
・貸出料金:550円
★混雑してでも見るべき理由★
音声ガイドの音楽を聴きながら作品をみると、展示会場が自分だけのすてきな絵画空間になりますよ。
美術初心者や子どもにおすすめ
主題がはっきりしていて見るだけでも楽しめる作品や風景画・人物画が多いので、美術初心者の人、子どもでも楽しく鑑賞できます。
★混雑してでも見るべき理由★
ただ見るだけでもわかりやすい作品が多いので美術初心者でも楽しい
コールド美術館改装ありがとう
コールド美術館が改修中だからこそ来日している名画たち。今後二度と日本ではもう見られない作品もあるかもしれません。
だからこそこの貴重なチャンスに「ありがとう」と言いたくなります。
東京展が終了すると巡回も決まっていますのでそちらも要チェックです。
・愛知県美術館 2020年1/3~3/15
・神戸市立博物館 2020年3/28~6/21
★混雑してでも見るべき理由★
何度も力説しますが、今展覧会は巨匠の名画がこれだけ揃った貴重な機会なのです。
上野公園内の美術館が熱い
芸術の秋ということもあり美術館・博物館の集まる上野公園は見ごたえのある展覧会が揃っています。日程があえば「コートールド展」と一緒に楽しめる展覧会をまとめてみました。
・国立西洋美術館
10/19~2020年1/26まで「ハプスブルグ展」
・上野の森美術館
10/11~2020年1/13まで「ゴッホ展」
所要時間
私の場合1時間30分くらい
美術の雑誌や本でしか見たことのない作品が目の前に現れる感動をたっぷり味わいながら、マイペースで鑑賞して楽しんでかかった時間。
広い会場なので歩きまわるのも大変でしたが、4時半過ぎに一周鑑賞した後、さらにもう一度最初に戻って気になった作品を再鑑賞しての所要時間です。
作品数はそれほど多くないのですが、とにかく見ごたえのある作品が続々登場して見入ってしまいます。
今展覧会ならではの絵画説明展示も見ごたえがあり、絵画を読みこなすのに時間がかかりました。
おすすめ本
展覧会の内容がぎゅっとつまった本が刊行されています。展覧会の予習にもなります。オールカラーで見やすい、雑誌なので軽めで持ち運びもしやすいですよ。
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「コートールド美術館展」基本情報
・会期:2019年9月10日(火)~12月15日(日)
・会場:東京都美術館(上野公園)
・チケット:当日一般1600円 65歳以上の観覧料が安く当日一般チケット1000円
▼▼詳細は「コートールド美術館展」公式ホームページをみてください。
まとめ
「コートールド美術館展」は期待通り巨匠たちの名画が目白押しでした。
混雑してでも見る価値があります。
巨匠の名作が東京上野で見られる貴重な機会に、ぜひこの感動を「コートールド美術館展」で味わってみてくださいね。
▼2019年9月に楽しめる展覧会を集めた記事も読んでみてくださいね。