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『メスキータ展』混雑するまえに知っておくべき!かっこいいアート

『メスキータ展』東京ステーションギャラリー(東京駅) 

☝5種類(左上2枚は同じもの)のパンフレットにも驚きます!

 

東京ステーションギャラリーでかっこいいアートに出合いました。オランダのアーティスト、メスキータの作品です。「メスキータって?お酒の名前?」なんて思ったあなたダメダメですよ。

まだまだ知られていない、かっこいいメスキータ作品は今知っておくべきです。

 

 

メスキータとは

 

☝メスキータの息子《ヤープ・イェスルン・デ・メスキータの肖像》1922年

 

サミュエル・イェスルン・デ・メスキータ(1868-1944)。オランダのアーティストです。ポルトガル系ユダヤ人の家庭に生まれ、画家、版画家として、デザイナーとしても活躍しました。

美術学校の教師として多くの学生も指導し、学生の中には“だまし絵“で有名なM. C. エッシャーがいます。エッシャーはメスキータの影響を大きく受けた学生だそうです。

 

ユダヤ人であったメスキータは過酷な人生の最後を迎えます。

第二次大戦中の1944年1月31日夜、妻、息子とともにナチスに拘束され、妻とメスキータは3月11日にアウシュヴィッツで、息子は20日後にテレージエンシュタットで殺されました。

 

エッシャーや弟子たちが、彼のアトリエに残された作品を命懸けで持ち帰り保管し守り抜いたおかげで、ナチスに奪われたり、破壊されたりすることなく、現在でもわたしたちはメスキータの作品を鑑賞できています。

 

『メスキータ展』混雑状況

 

☝《パイナップル》1928年

当日の混雑具合 

 

平日の午後3時半ごろに行きました。

入ってすぐの会場内は1つの作品に一人ぐらいの割合での作品鑑賞できるほどで人は少なめ、好きなだけマイペースで作品を鑑賞でき、混雑しているという雰囲気はありませんでした。

 

夕方にかけて一人で、カップルで訪れる若い人たちが増えてきました。時間が経つほどにどんどん人が増えてきた印象があります。

4時ちかくになると混雑まではいきませんが、自分の見たい作品をじっくり鑑賞したいなら、ほかの人の邪魔にならないように気を付けなければならない程度の混雑具合になっていました。

 

今後の混雑予想

 

展覧会を実際に見て、この展覧会はヒットするのではないか!と思っています。

特に若い人、男性に人気になりそうな気配がします。

当日来ていたのもほとんどが若い人たち。美術館でよく見かける、お買い物ついでの数人のおばさまグループ、年配ご夫婦もほとんどお見かけしませんでした。

多くは一人で来ている人、若いカップルでした。

 

今後はSNSなどを通じて若い人達の間で人気が高まり、夏休みには話題の展覧会になるのではと予想しています。じわじわ、どんどん混雑してくるのではないでしょうか。

 

ただメスキータの作品は好き嫌いがわかれそうなので、チケットを買うのに何時間もかかる、会場に入っても人がぎゅうぎゅう詰めで作品が見られないといった混雑にはならないと思います。

 

時間がある方は、話題になる前に早めに足を運んでおくことをおすすめします。

 

一番の混雑エリアは 

 

☝《ファンタジー:稲妻を見る二人》1914年

 

出口に向かう最後の通路です。

通路の両側に壁にたくさんの作品が展示されています。ここに飾られているのは、《ファンタジー》シリーズです。

ユニークで見たことのない不思議な体のバランスをした生き物などなどが、やわらかなタッチで描かれた空想感たっぷりのファンタジーシリーズの作品に囲まれると、不思議な世界に迷い込んだ気分になります。

 

版画特有のタッチが不思議な作品をさらに不思議な謎めいたものに見せ、みなさん作品に近寄ってじっくりみていました。

まとめて絵本になりそうなシリーズ作品でした。

 

展覧会の最後まで気を抜かずに、かっこいい不思議な作品《ファンタジー》シリーズを見逃さないようお気をつけくださいね。

 

 見どころポイント

 

☝5種類のパンフレット(上左2枚は同じもの)裏面も違う作品が載っています。パンフレットだけでも見ごたえたっぷり。

 

メスキータと戦争

 

今展覧会は2019年メスキータの没後75年をきっかけに開催。版画約180点、その他(油彩、水彩など)約60点、総数約240点の画家メスキータの画業を本格的に紹介する日本での初回顧展です。

 

メスキータの作品を知るとともに、戦争のなかでユダヤ人という理由だけで死んでいったメスキータの運命を知ると、メスキータ作品がますます重みのあるドラマチックなものに見えてきます。

そして、戦争が引き起こしたアートへの影響をもっと厳しく受け止めていかなくてはいけないと思わせてくれます。

 

戦争がアート界に及ぼした悲劇はこれだけではありません。日本人美術品収集家の松方幸次郎の人生も大きく変えてしまったんですよね。

▼▼こちらは上野の西洋美術館で開催中の「松方コレクション展」の記事を読んでチェックしてくださいね。

www.pooh70.com

 

かっこいいメスキータのアート

 

版画で表現された白と黒のモノクロの世界。

とにかく、かっこいいです!

 

会場内の展示作品は白黒だけの作品かと思いきや、突然に彩色された作品が現れます。

白黒の作品の中に突然ポツンとカラーに彩色された作品が展示されていたりすると、そこにだけ「ぱ~」と光が注ぐような明るさを感じます。

 

★メスキータ作品:《椿》1910年

まわりには白黒の版画《椿》が飾られています。そのなかでこの一つだけ薄いにぶいピンク色の彩色がされています。

はっとする美しさを感じます。

茶道の千利休が秀吉を茶会に招いたときに、一輪だけ咲いていたアサガオに感動した話を思い出しました。

 

画中に描かれたメスキータのマーク(署名)もかっこいいのでお見逃しなく

 

子供も楽しめる

 

展示会場で意外だったのは、小さなお子さん(5、6歳ぐらい)もメスキータの作品をみて喜んでいたこと。会場内で一人だけでなく2、3人の子どもを見かけましたが、どの子も楽しそうでした。

子どもは動物が描かれていたり不思議な顔の人間が描かれている作品がおもしろいらしく、声をあげてキャッキャ喜んでいました。

 

☝《ワシミミズク》1915年 / 《鹿》1925年

 

鳥、象、ライオン、馬、ラクダなど動物作品がたくさんそろった「第3章 自然」はまるで室内動物園のようです。椿、アヤメ、サボテンなど馴染みのある植物も作品になっています。

知っている題材が作品になっていると子どもも鑑賞しやすいですよね。

 

版画の魅力 

 

何点かは版画になる前のデッサンが版画と一緒に展示されていました。

デッサンではかわいらしかった男の子が、版画になるとメスキータらしいユニークさが表現され、さらにシャープにかっこよく変身するのに驚きました。

刷りの色や風合いを変えただけで、同じデザインなのにまったく異なる印象の作品に変化する版画がもつ魅力を楽します。

 

★メスキータ作品:《人と動物のフリーズ》1938年

真ん中で反転させた切り絵みたいな版画作品。。

 

★メスキータ作品:《うろつく男(6点)》1900年頃

異なるステートの刷りを一つの額におさめた版画作品。それぞれの少しずつ違いあります。“違いさがし”をしたくなりますよ。

 

★メスキータ作品:《少女(メイド)》1932年頃

デザインの一部である頭部だけを変更した(後ろ向きと横顔バージョン)版画作品が2枚並んでます。

 

 所要時間

 

☝《トーガを着た男》1923年

 

私はじっくりと作品鑑賞をして1時間10分ほど。

たっぷり時間をかけて、初めて見るメスキータ作品を鑑賞しての所要時間です。

気になる作品だけをみて鑑賞したら、もう少し短時間で見終えることも可能ですが、かっこいいメスキータの魅力にどっぷりはまったら、もう時間なんて考えられなくなってしまいます。

メスキータにはまりそうな方は、時間には余裕をもって見に行くことをおすすめします。

 

『メスキータ展』基本情報

・会期:2019年6月29日(土)-8月18日(日)⇒残りの会期が短め、お見逃しなく。

・会場:東京ステーションギャラリー JR東京駅 丸の内北口 改札前

・休館日:月曜日[7月15日、8月12日は開館]、7月16日(火)

・開館時間:10:00 - 18:00 ※金曜日は20:00まで開館 ※入館は閉館の30分前まで

・チケット:当日一般1100円

▼▼詳細は『メスキータ展』公式ホームページをみてください。

http://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/201906_mesquita.html

 

まとめ

 

いかがでしたか。

メスキータ展の雰囲気を味わっていただけましたか?

とにかくかっこいい作品が多いメスキータ展。おひとりさまはもちろん、カップルでも、親子でも、友達同士でも楽しめる展覧会です。

かっこいいメスキータ作品は知っておくべきですよ。