特別展「三国志」東京国立博物館(上野)
☝関羽像 明時代・15~16世紀
熱い心をもった男たちが繰り広げるドラマチックな歴史として三国志が好きな人も、三国志は中国歴史の一部としてとらえている人も楽しめるのが特別展「三国志」です。
三国志に興味はあるけれど知識はほとんどなし、三国志関連のドラマ、映画、マンガはみたことなしの三国志オンチ女子の私が三国志展へいって楽しめたかを報告しますね。
特別展「三国志」混雑状況
当日の混雑具合
土曜日夕方6時半ごろに会場に入りました。
金曜・土曜は夜9時まで開館しています。展覧会あるあるですが、夕方~夜は混雑を避けるにはもっともベストな時間帯です。
この日も混雑なくマイペースに作品を鑑賞できました。
会場内にはゲームが好きな人たちなのか、20代らしき若い男性のグループが多め。三国志好きな男性と一緒の女性といったカップルも多かったですね。
展覧会にしては珍しく男性が多めでした。
とはいっても、一人女子が行きづらいということはまったくありませんでしたよ。
この後の混雑予想
夏休みにかけてゲーム好きな若い人たちの間で話題になり人気になりそう。
さらに会場内は写真撮影OKなのでSNS上でも人気になるはずです。
子どもの夏休みの自由研究の題材にもなるので親子連れも増えるかもしれませんね。
混雑のピークは夏休み8月初旬~中旬と、展覧会期の終わりごろ9月中旬ではないでしょうか。
一番の混雑はどこ?
どの作品を見ていても不快になるような混雑はありませんでした。
意外だったのは会場内あちこちに登場する川本喜八郎さんのNHK「人形劇・三国志」で実際に使用された人形が人気だったこと。
人形といえども人物が視覚で認識できると三国志オンチ女子でも、はるか昔に起こった歴史上の出来事さえも身近に感じられるはずです。
三国志オンチ女子でも知っておきたい三国志基礎知識
三国志オンチ女子でも三国志の内容を詳しく知っていれば知っているほど特別展「三国志」が楽しめます。
時代
おおよそ西暦180年から280年ごろ。わずか100年間程度。日本はまだ弥生時代になります。
後漢の勢力が弱まったころ各地で武将たちの争いが起き始め世情は大いに乱れた。
その中で華北では曹操(魏)、長江上流域の四川平原では劉備(蜀)、長江下流域では江南の地に孫権(呉)の天下三分の形が定まります。
主力登場人物
国ごとに事前要チェックしておくとわかりやすいです。
★「魏」
曹操(そうそう) 曹丕(そうひ・曹操の長男) 曹植(そうしょく・曹操の三男)
夏候惇(かこうとん) 曹仁(そうじん) 許褚(きょちょ) 司馬懿(しばい)
★「呉」
孫権(そんけん) 孫堅(そんげん・孫権の父)
周瑜(しゅうゆ) 陸遜(りくそん) 呂蒙(りょもう) 張昭(ちょうしょう)
★「蜀」
劉備(りゅうび)
関羽(かんう) 張飛(ちょうひ) 趙雲(ちょううん) 諸葛亮(しょかつりょう) 姜維(きょうい)
☝関羽・張飛像 新時代・19世紀
三国志の結末
三国の壮絶な争いのあと「魏」の有力な司馬一族の武将司馬炎(しばえん)が、西晋王朝を成立する
見どころポイント
物語性・伝説感の強い三国志が、展示された史物を見ることでリアルなものとして迫ってきます。
プロローグ 伝説のなかの三国志
三国志時代は歴史性を帯びた伝説となって普及した。
第1章 曹操・劉備・孫権―英雄たちのルーツ
「魏」の曹操、「蜀」の劉備、「呉」の孫権のルーツをさぐる。
第2章 漢王朝の光と影
☝四層穀倉楼 後漢時代・2世紀 豊かな色彩にびっくり。
三国志以前の漢王朝は巨大帝国へと成長したが2世紀末には求心力を失った。
第3章 魏・呉・蜀―三国の成立
☝矢が天井から壁へ突き刺さっているこのシーンはあれ!ですよね。
後漢末期には魏・呉・蜀の三国が形づくられ境界線での闘いは熾烈に。その後、魏・呉・蜀はそれぞれ建国。
第4章 三国歴訪
魏・呉・蜀、三国には異なる風土が生んだ独自の思想や習慣があった。各国から出土されたリアルな文物にもそれぞれの特色がある
☝「呉」 神亭壺(しんていこ) 三国時代 呉の上流層に好まれたオリーブのやきもの。青磁の原点。墳墓に副葬するために焼かれた
第5章 曹操高陵と三国大墓
三国時代の支配者たちの墓づくりについて。2009年発見され調査が続いている曹操高陵(曹操墓)の墓室がリアル体験できるのは、今回の目玉。
☝「魏」 罐(かん) 後漢~三国時代・3世紀 白磁の容器。従来6世紀末頃に出現すると考えられてきた白磁、本品はこれを300年ほどさかのぼる。
第6章 三国の終焉―天下は誰の手に
天下を収めたのは魏の武将である司馬一族の司馬炎が建てた西晋王朝だった。
お楽しみ
2種類の音声ガイド
普通のタイプは「中国史」に精通し曹操高陵を訪ねたこともある吉川晃司さんがナビゲーターです。
男らしくかっこいい吉川さんの声とわかりやすい内容の音声ガイドなので、三国志オンチ女子にはぜひおすすめします。
もうひとつ別タイプでゲーム「新・三國無双」とのコラボレーションバージョンもあります。「新・三國無双」から4人の武将曹操、曹丕、夏候惇、関羽のナビゲートで三国志の時代を紹介してくれます。
ゲームファンにはたまらないですよね。
物語・人形などで楽しめる三国志
横山光輝さんのマンガ「三国志」の原画
川本喜八郎さんのNHK「人形劇・三国志」で実際に使用された人形
コーエーテクモゲームスの人気ゲームシリーズ「三國志」「真・三國無双」のキャラクター
吉川英治さんの小説「三国志」
が展覧会会場につくられた三国志の世界を彩っています。三国志オンチ女子でもわかりやすく楽しむことができます。
「もしも、あなたが三国志の武将だったら?」
自分のキャラクターがつくれる「「三国志」武将メーカー」が使えます。
あなたの顔写真をアップロードすると、武将メーカーによってコーエーテクモゲームスの「三國志」「真・三國無双」シリーズの武将ビジュアルと合成された、新たな【名】や【エピソード】などを持った架空の武将が誕生します。
知力や戦闘力がわかる自分武将に笑えます。
会場出口付近に「「三国志」武将メーカー」の機械が3台あり誰でも試すことができます。みんなの前で恥ずかしい三国志オンチ女子は、三国志の公式ホームページに同じことができるアプリがあるのでそれをつかって挑戦してみてはどうでしょうか。
会場内は写真OK
全作品が写真撮影できます。(ルールを守って・状況によっては中止、条件を変更する場合あり。)
特別展「三国志」は写真映えする貴重な歴史物の展示が多いので、「三国志オンチ女子だけどカメラが好き」という人にとっては「カメラ撮影」という楽しみもあります。ご自慢のカメラをお忘れなく持参しましょう。
所要時間
私の場合1時間15分くらい
当日は会場内が空いていてスムーズに展示物は見られました。
展示物が多くあり見ごたえたっぷりでしたので、所要時間は長めです。
展示物を鑑賞しながら、写真を撮って、音声ガイド聞いていると思ったよりも時間がかかります。
さらに三国志オンチ女子なので展示物のキャプションをじっくり読んだり、音声ガイドをしっかり聞いたりしていると「あっ」という間に時間がたってしまいました。
会場内が混雑していたら所要時間はもっと長めになっていたと思います。
お得なチケット情報
上野公園内の美術館で開かれている展覧会
・「松方コレクション展」(6月11日~9月23日、国立西洋美術館)
・「恐竜博2019」(7月13日~10月14日、国立科学博物館)
・「円山応挙から近代京都画壇へ」(8月3日~9月29日、東京藝術大学大学美術館)
のいずれかの観覧券(半券可)を東京国立博物館の正門チケット売り場で提示すると、特別展「三国志」の当日観覧料金が100円割引となります。
※観覧券(半券可)1枚につき、1人1回限り有効(他の割引券との併用はできません)。
▼▼「松方コレクション展」に行った記事はこちら。
▼▼「恐竜博2019」に行った記事はこちら。
おすすめ本
三国志について詳しい特集を組んでいる雑誌『Pen』の2019年8/1月号がおすすめ。
「知っておくべき13人武将」から「曹操・孫権・劉備と縁をもった女性たち」まで読みごたえたっぷり。
▼画像をクリックするとアマゾンへ。
特別展「三国志」 基本情報
・会期:2019年7月9日(火)~9月16日(月・祝)
・会場:東京国立博物館平成館(上野公園)〒110-8712 東京都台東区上野公園13-9
・休館日:月曜、7月16日(火) ※ただし7月15日、8月12日、9月16日は開館
・開館時間:午前9時30分~午後5時 ※金・土曜は午後9時まで(入館は閉館の30分前まで)
・チケット:当日一般1600円
▼▼詳細は特別展「三国志」公式ホームページをみてください。
https://sangokushi2019.exhibit.jp/
まとめ
三国志オンチ女子でも特別展「三国志」楽しめましたよ。
三国志の背景にあった当時の展示物たちが、三国志時代をよりリアルに三国志オンチ女子の目のまえによみがえらせてくれました。
とはいえ、どれだけ特別展「三国志」楽しめるかは三国志オンチ女子といえども、事前に三国志の基本知識を頭に入れておくことにかかっていますが。
混雑は予想だと8月以降になりそうです。できれば混雑を上手にさけて、三国志オンチ女子でもぜひ特別展「三国志」行ってみてくださいね。
▼同じ上野公園内で楽しめる展覧会はこちらです。
①「コートールド美術館展」が始まりましたよ。こちらも大注目です。
②「恐竜展2019」
③「松方コレクション展」