東京都現代美術館にいってきました。
およそ3年にわたる休館を終えて、ようやく2019年3月末にリニューアルオープンしました。
おかえりなさい。
東京都現代美術館(東京江東区清澄白河)
基本情報
●収集作品
戦後美術を中心に、近代~現代にいたる幅広いジャンルの作品約5400点を収蔵している。
パンフレットもおしゃれ。
●場所
東京都江東区三好4-1-1
難点はどこの駅からも少し遠いことです。地図の見方が苦手な人は事前にきちんと場所を把握してから行くことをおすすめします。
●東京メトロ半蔵門線「清澄白河駅」B2出口より徒歩9分
●都営地下鉄大江戸線「清澄白河駅」A3出口より徒歩13分
●チケット
MOTコレクション(常設展) 一般500円
●美術館ホームページ
▼▼こちらから見ることができます。
東京都現代美術館|MUSEUM OF CONTEMPORARY ART TOKYO
みどころポイント
木と金属と石が融合した建物
木の床からは温かみを感じますし、壁には石や金属が使われていてモダンな雰囲気もかもしだしています。
設計は、柳澤孝彦(TAK)(1935-2017)さん。
東京都渋谷区にある新国立劇場(1997)や東京新宿にある東京オペラシティなども手掛けています。東京都現代美術館は1995年に設立されました。
広々とした空間が広がる
都心にある美術館にはありえない広々とした空間が、アート鑑賞には抜群の環境になっています。
空気も美味しく感じます(笑)
展示会場の中も駆け出したくなるくらいゆったり広々。展示品もゆったりと展示されていて、少しくらいの混雑でも不快感を感じません。
広々とした空間は、どんどん大きくなりつつある現代アートを展示できるようにという準備のためでもあるそうです。
庭も広々していて、天気のいい日は一日中ここにいて過ごすことができそう。隣接した木場公園もまるで美術館の一部のようです。
建物(庭)のあちこちにオブジェ
とにかく建物全体がアートなんだと考えてもいいくらいです。
「あ!こんなところにも」と建物を歩いているといろいろなものに出会えます。
☝アンソニー・カロ(発見の塔)
なんと実際に上ることができる作品。(公開時間が決まっています)
☝鈴木昭男さんの「点音(おとだて)」を楽しめるポイントがあちこちにあり。
この作品のあたりで立ち止まるとどこからともなく音が聞こえてきます。歩みを止めることで、ふっとその場の空気も感じることができます。
☝レストランにもこんなオブジェが。これもアートに違いない。
地域に溶け込んだ美術館
☝(左)ブルーボトルコーヒーの作成した清澄白河のエリアマップ。
(右)アライズコーヒーロースターズのショップカード
美術館は都心からは少し離れた場所、今やおしゃれな街として有名な清澄白河地域に位置します。
美術館もそんなおしゃれな街のなかにしっくりと溶け込んでいます。
美術館のB1Fにおいてあるパンフレットの中には、あのブルーボトルコーヒーが作成した清澄白河の街の地図が置いてありました。地図では、清澄白河エリアのコーヒーショップやパン屋さん、レストラン、雑貨店などなどが紹介されています。
アート鑑賞のあとは、おしゃれな街の散歩にも出たくなります。
丁寧な説明のパンフレット
☝MOTコレクション『ただいま/はじめまして』パンフレット
いまいち作品のコンセプトがわかりにくい。
一見、なんだろうコレ?
と思いがち(笑)な現代アートが苦手という人も多いかもしれません。(私も理解できないことも多く苦手です)
そんな現代アート初心者にもわかりやすくパンフレットが充実しています。
カラーで見やすく、展示作品のアーティストひとりひとりについて、人物についてや作品について詳しい説明が書かれています。(作品の写真つき!)
このパンフレットを読んで作品を見ると、作品を見ることが面白くなってきます。
今を生きる作品たち
世界をまたにかけて活躍するアーティストの作品を鑑賞できます。
草間弥生さん
奈良美智さん
村上隆さん
(⇒今回は3人の作品は企画展で見ることができました。)
といった現在大活躍中のアーティストの作品からは、生き生きとしたエネルギーを感じます。
さらには、もっと若い世代のアーティストたちの作品も展示されていています。同じくらいの年齢の人、自分よりも若い人の作品にも出会えるはずです。
世界の現代アートも鑑賞できる
アメリカの60年代のポップアートなどの海外作品も鑑賞できます。
アンディ・ウォホールの《マリリン・モンロー》1967 や、ロイ・リキテンスタインの《ヘア・リボンの少女》1965も所蔵しています。
(⇒今回は《マリリン・モンロー》は企画展、《ヘア・リボンの少女》は常設展で見ることができました。)
最近では中国、韓国、イランなどのアジアのアーティストの作品も収集しているとのことです。
レストラン・カフェ
レストラン「100本のスプーン」
子どもも一緒に家族で本格的な料理が楽しめるようになっています。レストランの中は広々していて、子どもが一緒でも十分リラックスできます。(展覧会チケットがなくても利用可能)
☝子どもが飽きてしまわないように「ぬりえ」になっているメニュー。大きいモナ・リザは通常メニュー、小さいモナ・リザはハーフサイズメニューです。
☝メニューの中の一部。
営業時間:11:00-18:00(ラストオーダ17:00)
場所:東京都現代美術館B1F
カフェ「二階のサンドイッチ」
サンドイッチと飲み物がメインのカフェ、ちょっとした休憩にもぴったり。(展覧会チケットがなくても利用可能)
☝コーヒー(400円)とさばサンド(680円)。
☝テーブルには自由に閲覧できる本が置いてあります。私は小川信治さん(1956-)の展覧会カタログを楽しみました。
☝2階にあるので、窓からの眺めもいいですよ。テーブル・椅子もゆったりめに配置されています。
営業時間:10:00-18:00(ラストオーダ17:30)
場所:東京都現代美術館2F
ミュージアムショップ
他では見ないような、おしゃれなグッズが揃っています。(展覧会チケットがなくても利用可能)
NADiff contemporary(ナディフ コンテンポラリィ)
営業時間:10:00-18:00
場所:東京都現代美術館1F
美術図書館
美術に関する専門図書館。近現代美術に関する展覧会カタログや本、雑誌が見ることができます。子どもも楽しめる「こどもとしょしつ」が新設されました。(展覧会チケットがなくても利用可能)
図書館の入り口前のフロアーには、さまざまな美術館などのイベント・展覧会情報のパンフレットも集められています。
開館時間:10:00-18:00
場所:東京都現代美術館B1F
企画展もあり
常設展のほかに、別の会場では企画展も開催されています。
2019年3/29-6/16まではリニューアルオープン記念の企画展『百年の編み手たちー流動する日本の近現代美術ー』が楽しめます。
1910年代から現在に至るまでの作品を展示。
有島生馬さんの油絵《鬼》1914(赤いカーテンをバックに大きなとがった耳、筋肉ムキムキだけどなんだかちょっとかわいらしいおとぼけ顔の鬼)から始まり、現代のアーティストたち(奈良美智さん、村上隆さん、横尾忠則さん)までの作品が展示されていました。
お気に入り作品
●岸田劉生さんの自画像《自画像》1912
黒(紺)と赤の帽子を被ったちょっとかわいい?自画像。
●中原實さんの作品たち
大正時代に活躍した画家。不思議でかわいい作品が魅力的でした。
●桂ゆき(1913-1991)さんの作品たち
ユニークでおしゃれな作品にびっくり。女性らしいなと思える(良い意味で)かわいい作品も多い。
パンフレットも充実
あまり知られていない近代・現代アーティストたちのパンフレットも充実。
このタイプのパンフレットが用意されていて、好きなアーティストのものを自由にもらえるようになっています。
よんでみたい本
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わりとわかりやすく現代アートが説明されている本です。高校生ぐらいでも読むことができます。ただ、現代アートで著作権の問題もあるのでしょうか?作品はイラストで描かれています。
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まとめ
東京都心の美術館では味わえない広々とした空間の中でアートを見ることができます。
そして、アート作品を楽しむだけでなく、美術館そのものを楽しめる空間にもなっています。
お庭を散歩してもいいし、隣の木場公園で駆け回ってもいいですし、もちろんじっくりアートと向き合ってもいいし、レストランでおいしいものを食べてもいいし。
一日中ひとりでも、カップルでも、友達同士でも、家族でも楽しむことができます。
苦手意識のあるかもしれない現代アートを知るきっかけになるはずです。
展示内容は変更されますので、どうしても見たい作品があったら展示内容を美術館へ問い合わせしてみてください。
★リニューアル・オープン記念展
☝企画展『百年の編み手たち』 とMOTコレクション『ただいま/はじめまして』
●会期:2019年3月29日(金)~2019年6月16日(日)