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『ラファエル前派の軌跡展』三菱一号館美術館はほどよく混雑中

三菱一号館美術館でおこなわれている『ラファエル前派の軌跡展』を見てきました。

 

ミレイの《オフィーリア》が出展されていないので「見に行くのどうしようかな~」と思っていましたが、やっぱりこのおもしろメンバー(ラファエロ前派)たちの作品は見ておかなければと出かけてきました。

 

ちなみにミレーの《オフィーリア》といえば最近人気の樹木希林さんの本の表紙を思い浮かべる人も多いはず。

樹木希林 120の遺言 ~死ぬときぐらい好きにさせてよ (上製本)

 

 

『ラファエル前派の軌跡展』三菱一号館美術館(東京丸の内)

 

ラファエル前派って何?

 

あまり聞きなれないグループだと思いますが、今でなら毎日ワイドショーをにぎわすくらいの話題性たっぷりのグループだったようです。

 

19世紀(1840年頃)イギリス。ロイヤル・アカデミーの教育方針を批判し、自分たちの理想とする美術をつくるべき立ちあがった。ラスキンの理論を参考にして、ルネサンス期のラファエロ以前を理想とする彼らの作品はイギリス美術界を騒然とさせた。

 

発起人の3人はこちら。

ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ(1828-1882)

ジョン・エヴァレット・ミレイ(1829-1896)

ウィリアム・ホルマン・ハント(1827-1910)

 

その後、ラファエル前派第二世代として

ウィリアム・モリス(1834-1896)

⇒この『ラファエル前派の軌跡展』では第5章で大きく取り上げられている

エドワード・バーン=ジョーンズ(1833-1898)

⇒この『ラファエル前派の軌跡展』では第4章で大きく取り上げられている

がいる。

 

ちなみに今回の『ラファエル前派の軌跡展』はラスキン生誕200年記念となっています。

ジョン・ラスキン(1819-1900)

裕福な家庭に生まれた思想家・美術評論家。著書『近代画家論』でラファエル前派を擁護し(スポンサーとなり)、彼らの理論的支柱となった。

【参考:『ラファエル前派』美術手帖2014年3月号増刊】

 

『ラファエル前派の軌跡展』基本情報

 

●会期

2019年3月14日(木)~2019年6月9日(日)

 

●場所

三菱一号館美術館(東京丸の内)

東京駅から歩いて5分くらい。美術館のレンガつくりの外観と前の庭園の緑が素敵な美術館です。

 

●チケット

一般当日券1700円

 

チケットお得情報

①開催中もペア券(3,000円)はチケットぴあでのみ販売あり。


②第2水曜日17時以降 / 当日券一般(女性のみ)1,000円
※他の割引との併用不可 ※利用の際は⌈女子割⌋での当日券購入際に伝える。

 

③Bunkamura ザ・ミュージアム⌈クマのプーさん展⌋、東京都写真美術館⌈写真の起源 英国⌋とお得な相互割引あり。

詳しくは展覧会の公式ホームページで確認してください。

 

●展覧会ホームページ

▼▼こちらから見ることができます。

https://mimt.jp/ppr/

 

混雑具合 春休み・GWは若い人で混雑しそう

【「ラファエル前派の軌跡展」パンフレット】

 

混雑状況は

平日の10時すぎごろに行きました。

自分がラファエル前派好きなのでちょっと混んでいるかもと思い気合をいれて開館してすぐくらいに行きました。

この三菱一号館美術館は邸宅美術館のように小さめの美術館。(それが素敵なんですけれど)通路などが広いわけではないので、人がそんなにいなくても混雑しているようになってしまうのが難点なんですよね。

 

この日は、人はほどよくいるぐらいでちょうどいい見やすさになっていました。 あまりガラガラでもつまらないんですよね(笑)

 

けっこう熱心に鑑賞している人が多かったです。

年齢層はかなり若め。

ラファエル前派も、若い人たちが当時の美術に対抗して作られた反抗心?あふれるグループだっただけに若い人たちは共感できる部分も多いのかも。

春休みやゴールディンウィークには若い人たちで混雑しそうです。

 

一番の混雑はここだ!

会場の中には「写真OK」の場所(第2章ラファエル前派)があります。

ここが一番の混雑スポット。

うれしいことに「写真OK」なのは、ロセッティ・ミレイ・ハントなどの作品たち。

写真を撮ることができるだけでなく、この展覧会の中でも印象的な作品が集まっているためにどうしても混雑してしまいます。

 

私は先に好きな作品の写真だけ撮ってから、あとからゆっくりと作品を鑑賞しました。(写真を撮るときは他の人の邪魔にならないようにお互いに気をつけなくてはですね。)

 

こんな人におすすめ

 

イギリスヴィクトリア朝が好きな人におすすめ

ヨーロッパのなかでも島国のイギリスは、フランスやイタリアなどとはちょっと違う感じがします。私的な感覚なんですが、ちょっと古臭いというかなんとなくやぼったいというか(笑)

そんなイギリスが産業革命によって大きく変化を遂げ、栄華を極めたヴィクトリア朝時代。華々しいイギリスヴィクトリア朝の雰囲気や、活気ある普通の人々の暮らしを味わえます。

 

インテリア好きな人

ラファエル前派を知らなくても、ウィリアム・モリスを知っている人は多いはず。

布の生地の柄や、文房具の柄でモリスのデザインはよく使われています。

ウィリアム・モリスも実はラファエル前派(第二世代)のひとり。

彼(彼の会社であるモリス商会)の作品は『ラファエル前派の軌跡展』第5章で多く見ることができます。

かわいくてもだえること間違いなし。

 

「あいのり」など恋愛ドキュメンタリーが好きな人

芸術を愛する若者が集まれば、必ずといっていいほど起こりうる(笑)恋愛問題。

いつの時代、どこの国でもこれは仕方ないことなんですよね。

この恋愛事情は、展覧会に行く前にちょっと頭に入れておいてから展覧会で作品を見るとただ作品を見るよりも100倍楽しめます。

☟次のみどころポイントで恋愛模様を紹介しています。

 

みどころポイント

 

ラファエロ前派の恋愛模様

①ドロドロの奪い合い

エフィー

⇒ラスキンと結婚したが、その後ラスキンと師弟関係(パトロン関係)にあったミレイと恋に落ち離婚訴訟のすえに離婚、その後ミレイと結婚。

 

②不思議な三角関係

ジェイン

⇒資産家でもあったモリスと結婚。モリスと師弟関係・友人でもあったロセッティとも不倫関係を続けた。

 

他にもきっといろいろあったようです(笑)。

(参考:「ラファエロ前派」美術手帖2014年3月号増刊)

 

ロセッティ作品

私はこの展覧会を見るまでロセッティがあまり好きではなかったんです。

国立西洋美術館で見ることのできるロセッティ作品も苦手だったし。

☝《愛の杯》 ロセッティ 1867年 西洋美術館蔵

 

彼の恋愛模様もイラッとするうえに、作品もどうなのよ?と思っていたんですが。

今回『ラファエル前派の軌跡展』を見て、ロセッティの魅力にメロメロになりました(笑)。

描かれている女性はみんな同じ顔、表情も同じ、(ジェーンがモデルだから仕方ない)動きもなしだけれど、なぜか心にどしんと響いてきたんです。

なんでなんだろう?この三菱一号館美術館の雰囲気かな~?(笑)

 

☝ 《魔性のヴィーナス》 ロセッティ 1863-68年頃

 

 ☝《窓辺の女性》 ロセッティ 1870年

 

☝《記憶の女神》 ロセッティ 1876-81年

 

☝《クリスマス・キャロル》 ロセッティ 1867年

 

☝《夜が明けてーファウストの宝石を見つけるグレートヒェン》 ロセッティ 1868年

 

☝《祝福されし乙女》 ロセッティ 1875-81年

 

☝《ソファで眠るジェイン・モリスの習作》 ロセッティ 1870-71年頃

私が一番いいなと思ったジェインを描いた作品。なんだかおだやかなロセッティの愛を感じますよね。

 

ちなみにジェーンがモデルではない作品も見ることができます。こちらの方が私的には好きかも。

☝《ジョージ・プライス・ボイスとファニ・コンフォース》 ロセッティ 1859年

 

☝《廃墟の礼拝堂のガラハッド卿》ロセッティ 1857-59年

 

ミレイの作品

最も有名なミレイの作品<オフィーリア>は今回の『ラファエル前派の軌跡展』出展されていませんが、やっぱり「いいな~、この作品」と思うとミレイの作品なんですよ。

☝《新約聖書よりイエスのたとえ話 1「パン種」2「パリサイ人と取税人」3「秘された宝」》 ミレイ 1863年頃

 

☝《結婚通知ー捨てられて》 ミレイ 1854年頃

 

☝《滝》 ミレイ 1853年頃

 

私が好きなミレイ作品は、国立西洋美術館(上野)で見られるこの女の子♡

いつ見てもかわいいのです(笑)。ハンカチを手に持ったポーズが心をくすぐりますし、ピンク色のリボンのドレスも素敵。

☝《あひるの子》 ミレイ 1889年 西洋美術館蔵

 

ハントの作品

 ☝《誠実に励めば美しい顔になる》 ハント 1866年

純粋そうな女性の持つ中国風・染付?風の茶器が素敵です。

 

 ☝《甘美なる無為》 ハント 1866年

 

ターナーの作品

会場に入ってすぐのターナー作品。

ターナーはラファエル前派よりも前に活躍したイギリスの画家。かの夏目漱石もイギリス留学時代に彼の作品を見て感動したと言います。

日本では認知度は低めかもしれませんが、イギリスの画家といえばこの人!というくらいの巨匠。

 

人気テレビドラマ「SHERLOCK/シャーロック」シリーズ3の第3回『ライヘンバッハ・ヒーロー』では、盗まれたターナーの作品《ライヘンバッハの滝》が盗まれてホームズが見つけ出したという話が出てきました。

『SHERLOCK/シャーロック』 DVD プチ・ボックス シーズン3

☝クリックするとアマゾンへ。作品の詳しい内容がわかります。

 

ウィリアム・モリス作品

私が大好きなウィリアム・モリス(モリス商会)の作品も見どころ。

《いちご泥棒》の織物や、「シンデレラ」のストーリーが描かれたタイルも見ごたえありました。

ステンドグラス《巻物を持つ天使》は小さな部屋?にあるので見忘れなく。

 

モリス作品を見ていると、自分の好きなものだけに囲まれて、アートがふつうの生活の中で楽しめたらどんなに幸せだろうかと思えます。

 

2019年4月20日からの横浜そごうでの「ウィリアム・モリスと英国の壁紙展」も要チェックです。

 

ジュニアガイドは入り口にあり

ジュニアガイドが入り口に置いてあり、もらえるようになっています。

ラファエル前派の人たちの関係図もあり作品を見るうえで役立ちますので、ぜひもらいましょう。

ただし、ジュニア用なので残念ながら恋愛模様は載っていません(笑)。これが大事なんですけれどね~。

 

ホームズからの挑戦状

ラファエル前派が活躍したイギリスといえば、シャーロックホームズ。

「シャーロックホームズからの挑戦状」といった『ラファエル前派の軌跡展』との合同企画、リアル謎解きゲームが行われています。

(2019年3月14日~4月6日まで)

 

「シャーロックホームズからの挑戦状」は事前に参加している本屋さんに寄って、この【スタートキット】をもらっておいて参加するようになっています。

 

【スタートキット配布場所】は

・丸善 丸の内本店
住所:東京都千代田区丸の内1-6-4 丸の内オアゾ1階~4階
営業時間:9:00~21:00
休業日:無休(但し、1/1及び法定点検日は除く) 

 

・三省堂書店 有楽町店
住所:東京都千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館 1・2F
営業時間:平日・土 10:00~22:00/日・祝 10:00~20:00
休業日:年中無休住所:東京都千代田区大手町1丁目6−1 大手町ビル 1F
営業時間:10:00~20:00
休業日:毎週土・日・祝

 

・紀伊國屋書店 大手町ビル店

住所:東京都千代田区大手町1丁目6−1 大手町ビル 1F
営業時間:10:00~20:00
休業日:毎週土・日・祝

 

『ラファエル前派の軌跡展』の会場には、あちこちにヒントとなるボードあり。

(私は事前にパンフレットをもらいましたが、展覧会の作品を見ることに集中したかったのでヒントボードは写真に撮っておきました。)

楽しみ方はそれぞれですが、おもしろい企画ですのでお見逃しなく。

 

▼▼「シャーロックホームズからの挑戦状」の詳細はこちらから。

https://nazoxnazo.com/mmm_holmes/

 

所要時間

 

私は1時間ぐらいでした。

 

写真を撮れる作品が多くあり、そこで時間を費やしてしまいました。

私はラスキン作品があまり興味がないので、ラスキン作品はさっとみただけでこの時間です。

 

おすすめ本

 

『ラファエル前派』美術手帖2014年3月号増刊

美術手帖3月号増刊 ラファエル前派 19世紀イギリスの美術革命

☝クリックするとアマゾンで購入できます。

 

2014年にミレイの《オフィーリア》が森アーツセンターギャラリーに来日した時に購入した本。この本一冊あればラファエロ前派とその後の第二世代、唯美主義までを網羅できます。

さらにこの本のおすすめは、ヴィクトリア朝のファッションと暮らしが紹介されていること。建築や貴婦人のたしなみのファッション、飲み物、照明などからは当時の雰囲気が伝わってきます。

 

もちろんオールカラー。

本のサイズは小さめ (21 x 14.4 x 1 cm)で軽く持ち運びもしやすいですので、展覧会鑑賞のお供にもなります。

美術手帖3月号増刊 ラファエル前派 19世紀イギリスの美術革命

美術手帖3月号増刊 ラファエル前派 19世紀イギリスの美術革命

 

 

まとめ

 

『ラファエル前派の軌跡展』は、ラファエル前派が認知度が低いわりには私たちの現代社会に出現しているということに気づかされた展覧会でした。

ラファエル前派グループの人間関係を知ると、彼らの素顔が知ることができてさらに楽しめるというお茶の間的な話題たっぷりあり。作品を見てアートとして鑑賞するだけではない下世話な楽しみもありました(笑)。

 

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