『奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド』東京都美術館(上野公園)
東京都美術館(上野公園)でおこなわれている『奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド』を見てきました。
日本美術が大人気です。
あの長蛇の列をつくりだした伊藤若冲ブームも記憶に新しいですし、もう若冲を「わかおき」と読む人も少なくなっていますよね(笑)。
「若冲以外にも日本にはあまり目立たたないけれど面白い作品を描いた画家がたくさんいるよ!」ということを大きくアピールしている展覧会『奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド』が東京都美術館(上野)で開催中です。
真面目できれいな画?という日本画のイメージをくつがえして、新たな日本画の魅力を見せつけてくれます。
混雑中 さらにこれからどんどん混雑しそう
混雑状況は
平日の11時ごろに行きました。
まだ始まったばかりだから空いているかな~と思っていたのですが。
混雑しています。
チケットを買うのに並ぶ、会場内の入場に待つような混雑ではありませんが、中に入ると人がごちゃっといる感じで混雑しています。
ロッカーの空きがほとんど無い状態でした。
冬でコートを着てくる人が多くロッカーを使用する人が多いからなのか、平日のこの時間でロッカーの空きがないことは初めてのことでした。
鑑賞している人は男性・女性ほぼ同じくらいのバランス。ご夫婦や4人ぐらいのグループを多く見かけました。
平日なので年齢層はかなり高めでした。
東京都美術館で行われる展覧会は、65歳以上は観覧料が当日券1000円というお手軽価格なので、年配の方はお友達を誘いやすいですよね。
若い人も多く訪れていて、春休み中らしき大学生も多く見かけました。年齢層を問わずに人気のある展覧会です。
休日はかなりの混雑が予想できます。恐ろしい春休みはもう大混雑かも。
混雑を少しでも避けたい・じっくり見たいと思ったら
「じっくりみたいな~」と思ったら、朝いちばんで来るか、金曜日を狙うか、閉館間際を狙うか、天気の悪い日を狙うといったぐらいですが、考えてみてもいいかもしれません。
ちなみに私は見ごたえがたっぷりすぎたので(笑)、私は期間中もう一度行ってもいいかなと思っています。
『奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド』公式ホームページから混雑状況が見られるようになっていますのでこちらも参考になります。
▼『奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド』公式ホームページはこちら。
一番の混雑はここだ!
会場に入ってすぐ最初がなんと大人気、みんなが大好きな「若冲コーナー」なんですよ。
もうここ周辺はマックスに渋滞しています(笑)。
特に、鶏の作品は大人気!!
私は鶏が苦手なので、ここはほぼスルーなのでいいのですが、じっくり見たい人は覚悟して行ってください。
双眼鏡を持参がおすすめ、せっかくなら若冲の細かな筆遣いが見たいですものね。
あと混雑がすごかったのは巻物系ですね。
こちらはびっちり並んでみんなで「ソロリソロリ」進んでいくパターンなので渋滞しています。
巻物すべてをアリーナでじっくりみたい人は並ばなくてはならないかもしれませんが、さっとみたいな、部分的にみるでもいいなと思ったら、並んで見なくてはいけないというルールは特にないので人と人の間から見ることもできます。(もちろん人の邪魔にならないように、嫌がられないように気をつけて)
会場の展示方式
『奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド』では、江戸時代に活躍した奇想な日本画家8人ひとりひとりの作品が個人ごとにそれぞれ順番に並んでいますので、好きな画家、気になる画家の作品を重点的に鑑賞することもできます。
公式ホームページやパンフレットでそれぞれにつけられたキャッチコピーがそれぞれの作品とぴったりなのも注目です。
会場内の展示順に並べてみました。
●LBF
幻想の博物誌 伊藤若冲 いとうじゃくちゅう(1716-1800)
醒めたグロテスク 曽我蕭白 そがしょうはく(1730-1781)
●1F
京のエンターテイナー 長沢芦雪 ながさわろせつ(1754-1799)
執念のドラマ 岩佐又兵衛 いわさまたべえ(1578-1650)
狩野派きっての知性派 狩野山雪 かのうさんせつ(1590-1651)
●2F
奇想の起爆剤 白隠慧鶴 はくいんえかく(1685-1768)
江戸琳派の鬼才 鈴木其一 すずききいつ(1796-1858)
幕末浮世絵七変化 歌川国芳 うたがわくによし(1797-1861)
生まれた順番は、又兵衛、山雪、白隠、若冲、蕭白、芦雪、其一、国芳になります。時代の流れから彼らの作品を見ても楽しめます。
マンガ好き・日本画好きにおすすめ
★マンガ好きな人へおすすめ
奇想の日本画(びっくりな日本画)をみると、現代のマンガに近いなと思います。
『北斗の拳』 『ジョジョの奇妙な冒険』などなど。
奇想の作品たちから、どこか不思議な感覚を呼び起こす現代のマンガにつながるような気がするんです。
私が大好きなヒグチユウコさんの作品もどこか奇妙なところが、なんだか奇想な画家たちの作品と通づるところがあるな~とも思っています。
▼▼『ヒグチユウコ展』も開催中です。上野から少し離れた場所世田谷になりますが、ぜひぜひ。
★日本画に興味のある人におすすめの展覧会
『奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド』のパンフレットも奇想まみれ!!
西洋絵画は好きだけど今まで日本画はあんまり興味がなかった人や、最近の日本画ブームが気になっている人にはぜひぜひおすすめ。
江戸時代に活躍した絵師8人もの作品が一気に見られます。
日本画の王道とはいえないのかもしれないけれど、びっくりするような魅力的な作品に出会えます。
みどころポイント
★長沢芦雪のかわいらしさ
私のおすすめは長沢芦雪。
どこかかわいらしい作品が多いのも好きなポイント♡
若冲のクジラと白象の作品と、芦雪の白象と黒牛の作品を比べてみるのもおもしろいです。
▼『白象黒牛図屏風』長沢芦雪 江戸中期18世紀
黒牛の下に白いふわふわの犬がいるのがかわいい♡
【『奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド』パンフレット一部】
▼こちらが伊藤若冲の『象と鯨図屏風』 1797(寛政9)
【『奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド』パンフレット一部】
★ジュニアガイドはダウンロード可
残念ながらジュニアガイドをもらえない大人でも、ジュニアガイドがダウンロードして見ることができます。
会場にはジュニアガイドのボードもありますのでお見逃しなく。
▼▼こちら「資料BOX 東京都美術館」からジュニアガイドがダウンロードできます。
★横尾忠則スペシャルヴィジュアルポスター
会場を出て下りエスカレーターを乗る前にぜったいに見逃せない作品があります。
それが『奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド』×横尾忠則さんの作品。
(エスカレータの奥のスペースに飾ってあります。)
どこかかわいらしい?奇妙な作品、じっくり見ていろいろな奇妙さを楽しめる作品になっています。(あの世界的に有名なビーグル犬?もいますし(笑))
もし見逃してしまったら、グッズとして数量限定販売しているので『奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド』公式ホームページのグッズコーナーで見ることができますのでチェックしてみてください。
▼『奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド』公式ホームページはこちら。
所要時間
私は1時間半ぐらいでした。
とにかく見ごたえある作品が多くて、時間がかかりました。
これでもかなり短縮して作品をみたので、じっくり思う存分楽しんだら2時間でも3時間でも鑑賞できます(笑)。
時間に余裕がない人は、バランスよくみるか、気になる絵師を中心に鑑賞するかを決めていくといいかもしれません。
おすすめ本
★『日経おとなのOFF』2019年1月号
毎年恒例のその年の絶対見逃せない美術展の特集が組まれている雑誌です。
『奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド』は、なんと10ページにもわたってカラーで紹介されています。
美術史家の山下裕二さんと私の大好きな♡画伯山口晃さんのスペシャル対談も読みごたえあります。
★『ヒグチユウコ画集 CIRCUS』
展覧会の作品集。かわいいけれど、どこか奇妙なヒグチユウコさんの作品を楽しめます。奇想天外な作品が好きならば、ヒグチユウコさんおすすめです。
『奇想の系譜展 』基本情報
●会期
2019年2月9日(土)~2019年4月7日(日)
●場所
東京都美術館(上野公園)
●展覧会ホームページ
▼▼こちらから見ることができます。
まとめ
見どころ満載で大満足の展覧会です。
それにしても個性の強い作品たちを鑑賞するのって、こんなに疲れるのか~というぐらいどっぷりと疲れました。
混雑していて疲れちゃうということもあるのかもしれません。
余裕があるなら2回くらいに分けて鑑賞してもよさそうです。
日本のマンガが好きな外国人の人にもぜひぜひ見てほしい展覧会。日本の新たな魅力を見つけてもらえるはずです。
▼▼西洋絵画の奇想天外な画家を探したいならこの本がおすすめ。
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