東京六本木にある国立新美術館で開かれている、『ピエール・ボナール展』を見てきました。

女子が好きなかわいい作品がたくさんあるよ。
『ピエール・ボナール展』国立新美術館(東京・六本木)
ピエール・ボナールは、1867年パリ郊外で生まれ、1947年(80歳)南フランスで亡くなります。19世紀末のパリで、ゴーギャン(1848-1903)から影響を受けて結成された若いき芸術家グループ、ナビ派の一員です。代表的な画家仲間にボナールや、ヴュイヤール、ドニなどがいます。美術界の流れからみると、印象派のモネ(1840-1926)・ポスト印象派のゴッホ(1853-1890)の後あたり、キュビズムのピカソ(1881-1973)の前あたりという感じでしょうか。
大きく取り上げられることの少ないナビ派、ボナールですが、今回はボナールだけで展覧会が開かれるということで、ボナールファンとしてはうれしい展覧会です。
混雑度
日曜日の午前10時ごろに行きました。展覧会が始まったばかりだからなのか、ボナールがあまり日本では浸透していない画家だからなのか、空いています。予想どおりです。私はナビ派の作品が好きなので、まちにまった展覧会だったのですが、世間ではあまり人気がない(知られていない?)ので、混雑はこんな感じかなというレベルです。
今後、じわじわと噂や、SMS、テレビなどでとりあげられたら一気に大人気になるのではないかな?と期待をした予想をしています(笑)。
また、同じ国立新美術館で今月末(10月26日~)から大人気日本画家の「東山魁夷展」が始まるので、こちらと一緒に見る人が増えそうです。
ただ、会場は大きく通路が広いので、混雑で動くのも大変ということにはならないと思いますが。
当日は、全体的に一人で来ている人が多かったです。ほとんどが、おひとりさまといったぐらいです(笑)。女子に人気なのかと思いきや、男性のひとりも多く、男女比は半々といった感じです。年齢層はかなり若めで、30代~40代くらいの人が多かったです。
午後過ぎごろには、カップルが増えてきた感じがしました。休日だったからか、おばさまたちの団体などもいませんでしたし、年配の人の姿がほとんど見られませんでした。
おすすめ度
かわいいもの好きなひと、インテリアやファッションに興味のあるひとにおすすめの展覧会です。
全体的に、ぼわ~~としたやさしい色合いの作品が多く、かわいさにあふれています。見ているだけで、心が和んできます。
絵の細かな部分まで楽しめる展覧会でもあります。
ひとつひとつの作品をじっくり見ると、室内の作品はインテリアがおしゃれですし、女性のファッションはパステルカラーのかわいいデザインの服を着ていたりとファッション雑誌・インテリア雑誌をみているような気分になれます。
洋服は、水玉模様だったり、格子模様だったり、縞々模様だったり、現代でも普通に着ることのできるようなデザインですし、インテリアも、色合いがそろっていたり、カーテンや壁紙、家具など素敵なんです。
おしゃれ感もあるので、デートにもぴったりの展覧会になっています。
所要時間
80分ぐらいでした。ボナールが好きでこの展覧会をかなり楽しみにしていた私は、思う存分に作品を楽しんだので、時間がかかってしまいました。
作品数は130点ほど(写真や素描あり)、気になる作品を中心にみて進めば1時間程度でも見終えることはできそうです。
ボナールファンとしては、ボナールを知らなかった人ほど、実際に行ってみたら、ボナールの魅力にはまって時間を忘れて見入ってしまうのではないかな?と思っています。特に、かわいいもの好きさんは特に時間に余裕をもっていってほしいです。
みどころ
①画家ボナールを知るあまり知られていないボナールを一気に知ることのできる。パリでは近年ナビ派の画家に注目が集まっていて、2015年にオルセー美術館で開催された「ピエール・ボナール展」は51万人もの人が集まり、2014年のゴッホ展に次ぐ歴代企画展入場者数第2位を記録しているそうです。ボナール、話題の人なんですよ!!
②日本好きといわれたボナールの日本かぶれの作品を見る
日本の浮世絵を参考にしていたという作品がたくさん。西洋画ではあまりない掛け軸のような縦長の作品もたくさんあります。
▼《乳母たちの散歩、辻馬車の列》1897年
これ!すごく素敵♡色合いとか空白のバランスとか、日本人にしっくりくる作品です。頭の大きな子どもはユニークですが(笑)
[展覧会販売ポストカード]
▼《庭の女性たち》1890-91年
4点組の作品になっています。女性のファッションが素敵です。
[展覧会ジュニアガイド]
③かわいい猫や犬も登場
多くの作品に登場するので大注目。とにかくかわいい猫やら犬やらがわんさかです(笑)。
[展覧会ジュニアガイド]
▼『博物館誌』(ジュール・ルナール)1904年
こんなやさしいタッチの作品もあります。
④ボナールファミリーに会える
ボナールの妹さん夫婦をモデルにした作品が多く展示されています。妹さんきれいなんですよ~。奥さんのマルトさんもたくさん登場します。奥さんは丸顔でかわいらしい人です。
【展覧会ジュニアガイドより】
▼《ブルジョワ家庭の午後 あるいはテラス一家》1900年
だれも目があっていないという不思議な作品。左のカウチに座っているのが妹の夫クロード、ピンク色の格子模様の服を着た黒柳徹子ヘアーの女性が妹のアンドレ、子どもたちはクロードとアンドレの子どもたちだそうです。
ブルジョワ家庭に生まれたボナールですが、ブルジョワ階級を冷めた目でみていたらしく、その感情が絵画に現れています。
[「オルセーのナビ派展」展覧会販売ポストカード]
▼《猫と女性 あるいは餌をねだる猫》1912年
丸顔のかわいい妻のマルトさんがモデル。かわいい猫ちゃんが斜めに構えていて作品の構図のバランスをとっているそうです。
[展覧会パンフレット]
おすすめ本
①「もっと知りたいボナール 生涯と作品」 高橋朋也他 著/ 東京美術
ボナールについて、よく知らない人、もっともっと知りたい人におすすめの一冊。

もっと知りたいボナール 生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)
- 作者: 高橋明也,島本英明
- 出版社/メーカー: 東京美術
- 発売日: 2018/08/01
- メディア: 単行本
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②「かわいいナビ派」 高橋朋也他 著/ 東京美術
ボナールも含まれるナビ派。ボナール以外にもドニ、ヴュイヤールなどなどの、かわいい作品がたくさんとりあげられています。
2017年にはナビ派の展覧会が開かれ、パンフレットの表紙はボナールでした。この展覧会で見たボナール作品も今回展示されています。この格子模様の洋服を着た女性の作品も、今回の展覧会で見られます。
[「オルセーのナビ派展」パンフレット]
▼▼「オルセーのナビ派展」展覧会の記事はこちらです。
基本情報
●会期:2018年9月26日(水) ~ 2018年12月17日(月)
●場所:国立新美術館(東京・六本木)
●展覧会ホームページ:▼▼こちらから見ることができます。みごたえたっぷりの公式ホームページになっています。
ピエール・ボナール展 オルセー美術館特別企画|国立新美術館 2018年9月26日(水)〜12月17日(月)
同じ国立新美術館(東京・六本木)では10月24日から12月3日まで「東山魁夷展」が開催されます。東京では10年ぶりの大規模回顧展となり、80点ほどの作品が出品されるようです。こちらも見ごたえある展覧会になりそうです。
▼▼展覧会ホームページは、こちらから見ることができます。
▼昨年2017年秋にみた東京国立近代美術館のMOMATコレクションでも東山魁夷作品が展示されていました。こちらの記事もみてくださいね。
まとめ
かわいいボナール作品を、最初から最後まで楽しめる展覧会です。
フランスパリの雰囲気が伝わるボナール作品は、おしゃれなインテリア雑誌をみているような気分になれます。
もしボナールの作品が持ち帰りできたら、家に飾りたい作品がたくさん。あの作品は廊下に、あの作品は寝室に、あの作品はリビングにとあちこちに飾りたくなります。
ボナールを知らなかった人も、ぜひぜひ展覧会を見てボナールを好きになってほしいです。
ちなみに会場入ってすぐが写真スポットなのでお忘れなく。
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