東京駅にある東京ステーションギャラリーで開かれている、いわさきちひろ展『いわさきちひろ、絵描きです。』を見てきました。

たくさんの、かわいい子どもたちに会えるよ。
いわさきちひろ展『いわさきちひろ、絵描きです。』 東京ステーションギャラリー(東京駅)
混雑度
★★★☆☆(★5満点 多いほど混んでます)
金曜日の5時すぎに行きました。
大学生の女子団体がいましたが、夜間を狙って行ったので混雑はしていません。
びっくりしたのは、男性一人が多かったこと。おばさんよりも、おじさんが多いことに不思議な感じがしました(笑)。
おじさんもちひろさんのかわいい子どもの絵をみて、一週間の疲れをとりたかったのかな~。
この美術館は、階をまたいで展示されているため、一箇所にたくさんの人が固まってしまうことが少ないので、自分の好きな作品をマイペースで見ることができました。
おすすめ度
★★★★☆(★5満点)
かわいい、やさしい絵が好きな人に、おすすめの展覧会です。
『いわさきちひろ、ってだれ?」
と思う人もいるかもしれませんが、彼女の絵は多くの人がみたことがあると思います。
教科書にのっていたり、ベストセラー「窓ぎわのトットちゃん」の挿絵としても有名です。
水彩画のぼんやりとした、やさしいタッチの、子どもの絵が、いわさきちひろさんの代表的な絵です。
どの子どもも、かわいい。
しかも「こんな子いるいる!」とつぶやいてしまう絵がばかり。
子ども好きさんは夢中になってしまうはずです。
会場には、靴を脱いで、床に座って、いわさきちひろさんの絵本を読めるコーナーもありますので、絵本好きなお子さんも一緒に楽しめます。
▼▼いわさきちひろさんの絵が楽しめる絵本はこちら。
所要時間
50分ぐらいでした。
けっこう、マイペースでのんびり展示された絵を見て、最後にテレビでいわさきちひろさんの生涯についてのビデオを見ての時間です。
最後のビデオが、思ったよりもわりと長め(10分くらいかな??)なので、見たい方は、時間配分に気をつけてください。
時間に余裕のない人は、展覧会を見始める前に、受付に人に、最後のビデオの所要時間を聞いたほうが確実です。
いわさきちひろさんについて、あまり知らない人であれば、できれば、このビデオを見ることをおすすめします。
ビデオを見ると、それまでのいわさきちひろさんの絵が違った風に見えてくるかもしれませんよ。
展覧会のみどころ
かわいい子どもがいっぱい
子ども特有の、ふっくらした肌感、ふわっとした細い茶色の髪の毛、くりっとした純粋な目。
どの作品にも、愛情がたっぷりつまっています。
やさしい絵
ほんわかしたタッチで、パステルカラーの使われたやさしい絵に、心がほっこりします。癒されます。
マリー・ローランサンの絵画「ブリジット・スールデルの肖像」
いわさきちひろさんが、マリー・ローランサンの絵を見て 、「本当におどろいた。この人は私の好きな色ばかりで、こんなにやさしい絵を描くのだろうか。」と思ったそうです。
あ~~。確かに!!
やさしい絵のタッチや、色合いが、ふたりの作品は似ていますね。
今回、初めて二人がつながりました。
▼マリー・ローランサンについての本はこちらがおすすめ。
おすすめ本
①「ちひろの世界」 松本猛・松本由理子 著/ 講談社
たくさんの、ちひろ作品がカラーで見られます。
そして、いわさきちひろさんの息子さんが著者であるこの本には、いわさきちひろさんの生涯も書かれています。
展覧会に行けない人には、この1冊をおすすめします。
②「窓ぎわのトットちゃん」 黒柳徹子 著/ 講談社
今も大活躍の黒柳徹子さんが、自身のこども時代「トモエ学園」での出来事を書いたこの1冊。
初版は1981年。今から37年も前に、書かれた本なのですが。
初めて読んだときに、私は「こんな学校があるんだ!」と、とにかく驚いたのを覚えています。
そして、「世の中には、いろんな人がいるんだな~」と感じたのも覚えています。
小学生の高学年くらいなら読めますので、この夏休みの読書におすすめです。
昔読んだという人も、この機会にもう一度読んでみませんか?
基本情報
会期:2018年7月14日(土) ~ 2018年9月9日(日)
場所:東京ステーションギャラリー(東京駅)
展覧会ホームページ:▼▼こちらから見ることができます。
東京ステーションギャラリー - TOKYO STATION GALLERY -
http://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/201807_chihiro.html
まとめ
「愛」と「やさしさ」が、あふれでる展覧会でした。
黒柳徹子さんの「窓ぎわのトットちゃん」を読んだときから、いわさきちひろさんの作品は大好きでしたので、ものすごく楽しめました。
今回、この展覧会では今まで知らなかった新しい、いわさきちひろさんに出会えたような気がします。
ひとつは、マリー・ローランサンの絵が好きだっという、いわさきちひろさん。
よく考えれば、この二人の作品には共通点が多いことに今更ながら気づきました。
もうひとつは、青春時代が戦争に翻弄されていたという、いわさきちひろさんです。
不思議なことに、いわさきちひろさんの生涯を知った後は、彼女の描く純真無垢な子どもの絵が、どことなく寂しげな不安をどこかに抱えているナイーブな子どもたちにも、見えてきたのです。
いわさきちひろさんの描く、子どもの絵には、
人生には、自分では抗えないような不幸がやってくる。
でも、今は何も知らないでいい。
恐いことを知らないでいい。
何も疑わないでほしい。
という、いわさきちひろさんの想いが、あるのではないのかな~と思いました。

小学校時代に読んだ「窓際のトットちゃん」は、今でも本棚にある大事な一冊。今晩、また読もうと思ったよ。