東京日本橋にある三井記念美術館で行われている『大名茶人松平不昧 お殿様の審美眼』を見てきました。

松江藩主の松平不昧が愛した茶道具が揃った展覧会だよ。お殿様の茶の湯へのセンスの良さが際立っていたよ。
[Wikipediaより 松平不眛(治郷)の肖像。治郷は松江藩第7代藩主(松江観光パンフレットよりコピー)]
- 混雑度:『大名茶人松平不昧』三井記念美術館(東京日本橋)
- お勧め度:『大名茶人松平不昧』三井記念美術館(東京日本橋)
- 所要時間:『大名茶人松平不昧』三井記念美術館(東京日本橋)
- 展覧会のみどころ:『大名茶人松平不昧』三井記念美術館(東京日本橋)
- 気になった作品:『大名茶人松平不昧』東京国立博物館
- お楽しみ①:松江(島根県)のアンテナショップにも寄ろう。
- 展覧会の基本情報:『大名茶人松平不昧』三井記念美術館(東京日本橋)
- おすすめ本:松平不昧公に関する本
- おすすめ!一緒にまわっておきたい美術展
- まとめ:『大名茶人 松平不昧』三井記念美術館
混雑度:『大名茶人松平不昧』三井記念美術館(東京日本橋)
★★★☆☆(★5満点 多いほど混んでます)
[展覧会パンフレット]
平日の3時半過ぎごろに行きました。開館が夕方5時までなので混雑を避けて、あえてこの時間を狙ってみました。
茶の湯の展覧会はコアでありながらも、人気の高く、みなさんの展示品に対する意識も高いため、人がそんなに多くなくとも、じっくりみることができない場合もありますので、少し不安だったのですが。
思ったよりは人数的には混雑していましたが、3~4人できているおばさまグループが何組かいて、そのグループが過ぎると、のんびりマイペースで作品を見ることができました。
週末などは、若い人もグループ(茶道のお稽古仲間など)で訪れそうなので、混雑は予想されますが、大型美術展のような大混雑になることはないと思います。
お勧め度:『大名茶人松平不昧』三井記念美術館(東京日本橋)
★★★★☆(★5満点)
茶の湯に興味のある方はぜひぜひ。
何年も、茶の湯を楽しんできた方にとっては、「また不昧さんか~(笑)」と思うかもしれませんが。
今年は松平不昧さんが没して200年の節目の年だそうですので、もう一度彼の愛したセンスの良い茶道具を見てみてはいかがでしょうか。
所要時間:『大名茶人松平不昧』三井記念美術館(東京日本橋)
ミュージアムショップもみて、合計で1時間半ぐらいでした。
わりとマイペースにのんびりみてこのくらいの時間です。全体を2周しました(笑)1回目に見たときと、違った印象をうけるお道具などがあったりして、おもしろかったです。
展覧会のみどころ:『大名茶人松平不昧』三井記念美術館(東京日本橋)
①「古今名物類聚(ここんめいぶつるいじゅう)」が見られます。
名物茶器を記したもの。
江戸後期の名物記。1797年刊。一八巻。松平不昧の著とされる。茶碗・茶入れなどの茶道具中心の名物を類聚し、図説とともに実証的に記載。中興名物・大名物・名物などの品等および呼称はこの書によって定まった。
出典「三省堂大辞林 第三版」
松平不昧公の大きな功績として残る「古今名物類聚」は、必見です。
茶の湯の歴史における治郷の大きな功績は、それまで単に「名物」と呼ばれていた茶道具の名器をさらに細かく「宝物」「大名物」「中興名物」などと分類し、18巻にも及ぶ著書「古今名物類聚」にまとめたことです。
「松江の茶の湯」ホームページより
②不昧の愛した茶道具イコール茶道具の名品が見られる。
松平不昧旧蔵の茶道具といえば、大名家ならではの唐絵や墨蹟、唐物茶器はいうまでもなく、さらに桃山時代以来、茶の湯の世界が伝えてきた侘茶の道具も数多い。
「大名茶人松平不昧」ホームページより
③不昧が再生させたお道具たちが並ぶ
[展覧会パンフレット]
不昧は名品を蒐集するだけでなく、それらを蒔絵師や塗師などの職人にみせて学習させ、さらに自分の美意識を反映したお好み道具として再生させている。
たとえば国宝「片輪車螺鈿蒔絵手箱」の意匠と技法を引用して「片輪車蒔絵棗」を、「高台寺蒔絵棗」(余三作)のデザインを引用して「菊蒔絵大棗」を蒔絵師・原羊遊斎(はらようゆうさい)(1769~1845)が手がけた。
伊勢物語、源氏物語をモチーフにした工芸品で、日本の美術の美しさを改めて実感できます。
『大名茶人 松平不昧』ホームページより
「片輪車蒔絵棗」引用元となった国宝「片輪車螺鈿蒔絵手箱」も展示されていて(5月19日まで)見ることができました。
自分の気にいったデザインで作れば、国宝級のお道具も、実際に使用することもできますよね~。
気になった作品:『大名茶人松平不昧』東京国立博物館
「赤楽 無一物」
長次郎作 桃山時代16世紀
[展覧会パンフレット]
パンフレットの一番上段の作品です。残念ながら展示は5月20日まででした。
楽家初代長次郎の作品です。時代が経ち、カサカサの表面になっていますが、小さなサイズのプレーンな茶碗なのに、存在感たっぷりです。
▼文化遺産オンラインから見ることができます。
http://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/155118
文化遺産オンラインは、文化庁が運営する我が国の文化遺産についての電子情報広場(ポータルサイト)です。
「信楽水指 三夕(さんせき)」
桃山時代16世紀
一見無骨ながらも、どこか品を感じる作品でした。はかない哀愁も感じます。
銘になっている「三夕(さんせき)」とは、秋の俳句ですね。
10月の名残の月によく使われる「三夕(さんせき)」とは、『新古今和歌集』巻第四(秋歌上)に並んでいる、和歌の「秋の夕暮れ」を結びとする和歌3つをさします。
「さびしさはその色としもなかりけり真木(まき)たつ山の秋の夕暮れ」寂蓮
「心なき身にもあはれは知られけり鴫(しぎ)立つ沢の秋の夕暮れ」西行
「見渡せば花も紅葉もなかりけり浦の苫屋(とまや)の秋の夕暮れ」藤原定家
どの和歌も、どことなくさみしい感じがします。この和歌のイメージが、この信楽水指にぴったりきます。
「瓢箪蒔絵弁当」
酒井抱一下絵・原羊遊斎作 江戸時代19世紀
箱のあちこちに描かれた瓢箪がかわいらしい作品です。箱の側面にも、瓢箪を縦半分にした形の窓があります!!
不昧公は豆腐と瓢箪が大好きだったそうです。
お楽しみ①:松江(島根県)のアンテナショップにも寄ろう。
松平不昧公のお膝元は、島根県松江市です。
なんと!!三井記念美術館のすぐそばには、島根県アンテナショップがあります。美術館の帰りに寄って、島根県に旅行した気分になりながら、お土産を買うのもおすすめです。
不昧公の愛した和菓子も販売しています。
松江は不昧公200年祭で盛り上がっているようです。
展覧会の基本情報:『大名茶人松平不昧』三井記念美術館(東京日本橋)
会期:2018年5月22日~6月17日
場所:三井記念美術館(東京日本橋・東京駅)
展覧会ホームページ:▼詳しくはこちらへ。
おすすめ本:松平不昧公に関する本
雑誌でも特集が組まれるほどの人気がある松平不昧公です。今年は記念の年ということで、特に人気が高まっています。
おすすめ!一緒にまわっておきたい美術展
少し場所は離れていますが、畠山記念館でも同じ時期に松平不昧公の企画展『大名茶人 松平不昧と天下の名物「雲州蔵帳」の世界』が行われています。
会期は、2018年4月7日(土)~6月17日(日)になります。
要チェックですね。
展覧会ホームページ:▼詳しくはこちらへ。
http://www.ebara.co.jp/csr/hatakeyama/exhi2018spring.html
まとめ:『大名茶人 松平不昧』三井記念美術館
茶の湯を愛するものとしては、京都や金沢よりも落ち着いた雰囲気もある松江の町を、のんびり旅行をしたいと思わせる展覧会でもありました。
松江に行くとおいしい和菓子が揃っていることにびっくりするのですが、これも、茶人でもあった松平不昧公の愛した和菓子が多くあるからなんですよね~。
憧れの松平不昧公のように、自分の愛すべき茶道具にポリシーをもっていきたいなと感じた一日になりました。

私はピンクぽい色の茶道具に愛着があるよ。かといって、ピンクまみれのお道具で揃えるようなセンスはないよ(笑)