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紅葉の秋にピッタリ『陶匠辻清明の世界 明る寂びの美』:東京国立近代美術館工芸館

東京竹橋にある東京国立近代美術館工芸館で開催中の『陶匠辻清明の世界 明る寂びの美』を見てきました。

展覧会の内容:『陶匠辻清明の世界 明る寂びの美』東京国立近代美術館工芸館

[展覧会パンフレット]

陶芸家 辻清明さんの作品展です。

今回の作品展は、辻さんの没後10年を記念して開催されています。

辻清明さんとは、

辻清明(1927-2008)は、1955年に東京・多摩に登窯を築いて以降、信楽の土を用いた無釉焼き締め陶を活動の中心とした作家です。

古美術の蒐集や芸術家との交流を通して感性を磨き、「明る寂び」と呼ばれる信楽特有の美の世界を構築しました。

「東京国立近代美術館ホームページより」

そしてこの作品展では、茶陶やオブジェなどの辻さんの代表作のほかにも、ガラスの作品や、書の作品も展示されています。

おすすめ度:『陶匠辻清明の世界 明る寂びの美』東京国立近代美術館工芸館

★★★(★5満点)

信楽焼の土ぽさがごつごつした作品が並んでいます。

華やかな作品たちではないのですが、あたたかみのある「侘びた」雰囲気のあふれる作品たちは、秋のこの季節にピッタリです。

秋の紅葉をみているような気分になれます。

 

茶道具だけではなく、「これも焼いたの?」とちょっとビックリかわいいオブジェ作品も楽しめます。

焼物好きな人には、ぜひおすすめします。

混雑度:『陶匠辻清明の世界 明る寂びの美』東京国立近代美術館工芸館

★★(★5満点 多いほど混んでます)

平日、火曜日の午前11時ごろに行きました。

皇居が近いですし、北の丸の内公園内という場所柄か、観光がてらの外国人の方も何人かいました。

とぎれなく人はやってきますが、回転よく?人は循環していますので、のんびりした自分のペースで見ることができました。

所要時間:『陶匠辻清明の世界 明る寂びの美』東京国立近代美術館工芸館

じっくりみて20分程度です。

写真も撮れますので(写真禁止の作品もありますが)、お気に入りの作品は写真におさめるのも楽しいです。

 

気になったかわいい作品:『陶匠辻清明の世界 明る寂びの美』東京国立近代美術館工芸館

ユニークなオブジェ作品

《信楽金棒》 1982年

《信楽帽子・ステッキ》 1982年・2006年

茶道具 (茶碗・水指他)

《絵唐津鯰茶盌(えがらつなまずちゃわん)》 1991年

《信楽窯変水指(しがらきようへんみずさし)》 2006年

《信楽窯変茶盌(しがらきようへんちゃわん)》 2006年

《伊賀羅漢花生(いがらかんはないけ)》 1989年

《信楽茶入(しがらきちゃいれ)》 1988年

《信楽水指(しがらきみずさし)》 1993年

《聚楽掛分茶盌(じゅらくかけわけちゃわん)》 1990年

《信楽土風炉 瓢箪鯰(しがらきどぶろ ひょうたんなまず)》 1977年

《絵唐津水指(えからつみずさし)》 1986年

《信楽茶盌(しがらきちゃわん)》 1993年

《唐津鉄斑文向付(からつてっぱんもんむこうつけ)》 1992年

モチーフ  鯰(なまず)

《信楽鯰掛花入(しがらきなまずかけはないれ)》 1974年

《硝子鯰(がらすなまず)》 1991年

モチーフ 蕪(かぶ)

《信楽窯変蕪鉢(しがらきようへんかぶはち)》 1993年・1986年

《硝子蕪鉢(がらすかぶはち)》 1991年

書(軸)

 《書 壺中日月(こちゅう じつげつ》 1995年

禅語「壺中日月長」(こちゅう じつげつながし)とは、

「壺中自ずから佳山水有り」の故事にもとづく句。

「壺公」とよばれる仙老にさそわれるまま壺の中に入っていった男は、そこにあった別世界で歓待をうけ10日ほどすごした後、壺から出てみると、この世では10年もの歳月が経過していたという。
「壺中」というのは、壺の中の別世界のこと。禅門では、常識をもっては近づくことのできない悟りの境地をあらわすのに用いる。
迷いから完全に解き放されれば、時間の束縛を超越した自在の世界に遊ぶことができることがしめされている。
参考:『茶席で役立つ禅語ハンドブック』朝山一玄著

《書 アリのまま》 1997年

どの作品も、きれいだな~とか華やかだな~という感じではないのですが、しみじみと作品の熱や温かみ・良さが伝わってくる作品たちです。

特に、ユニークな作品が目につき楽しめます。

作品たちからは、辻さんって楽しそうな人だな~と思いました。

なににせよ「辻さん、なまずが好きだったんだな~。」と感じられると思います(笑)

お楽しみ①美術館自体の建物も楽しめます:『陶匠辻清明の世界 明る寂びの美』東京国立近代美術館工芸館

外観も立派ですが、中もクラシカルで素敵な建物です。

中では、のんびりソファーに座って休憩もできます。

建物は「明治生まれの40歳」

ということですが。不思議な?40歳です。

なぜか40歳かというと、

明治洋風建築の遺構として重要文化財に指定された、かつての近衛師団司令部庁舎だった赤レンガのこの建物は、1977年11月15日に工芸専門美術館として生まれ変わった。ということで、明治生まれの40歳だそうです!!

まとめ:『陶匠辻清明の世界 明る寂びの美』東京国立近代美術館工芸館

秋のこの時期にぴったりの作品が並んでいます。

「侘び」の良さが、まだ人生に未熟な自分にはピッタリこないのですが・・・・・・。

この紅葉のはじまりつつあるウラ寒い季節がやってくると、信楽焼のような土ぽい作品にあたたかみを感じて、素敵だな~とも思います。

都会のど真ん中で、秋を感じられる展覧会でした。

展覧会の基本情報:『陶匠辻清明の世界 明る寂びの美』東京国立近代美術館工芸館

2017年9月15日(金)~11月23日(木・祝)

東京国立近代美術館工芸館

東京メトロ東西線竹橋駅1b出口より徒歩8分

東京メトロ半蔵門線,東西線,都営新宿線九段下駅 2番出口より徒歩12分

観覧料:一般600円

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冬に茨城県の笠間で行われた美術展「現代の茶陶」にも辻清明さんの作品は展示されていました。

www.pooh70.com