見た目やイメージ、自分の思っていた味とちがう和菓子に出会うことがあります。
特に、本や雑誌に載っているような有名な和菓子は自分のなかで勝手に「イメージ」を作りあげて、味も勝手に想像してしまいます。
でも、食べてみないとわからないことってあるんですよね~。
和菓子:鳥羽玉(うばたま)まんじゅう
包装されたものをみると、ラッピングで見にくいけれど、中にはやけに黒々した丸っこいものが見えます。
中は、まっくろのあんこがびっしりつまっているのだろう・・・・・・。濃くてあま~いあんこ味を想像します。想像だけで奥歯が痛みます。
さっそく包装紙をあけてみます。
見た目はごく普通のおまんじゅうです。
やっぱり黒々して光輝いています(笑)
ところが、食べてみると「え~!さっぱりじゃないの。」
しかもどちらかというと洋風の味わいです。バターとミルクを感じる優しいママの味です。
甘みは抑え目で、黒糖の甘さです。
想像とまったく違う和菓子でした。
ここで、私の勘違いが発覚!です。
このお菓子が亀屋良長の代表銘菓「鳥羽玉(うばたま)」と思っていましたが、「鳥羽玉」は今回食べた「鳥羽玉まんじゅう」とは違う商品でした。
あはは・・・・・・(笑)
次は、「鳥羽玉」を食べてみたいです。
価格:130円(税別)(2017年6月現在)
和菓子の印象
「亀毛長三尺(きもうながきことさんじゃく)」です。
仏教では、この世に絶対ありえないことのたとえとして「亀毛兎角(きもうとかく)」ということばを用いる。亀の毛や兎の角は現実に存在しないとして、多くの経典や論書において、論敵の意見を非難する場合にこのことばが使われている。
我々の心のはたらきは「常識」にしばられているから、一度それをすべて捨てさればそこに万物のあるがままのすがたが見えてくる。
『茶席で役立つ禅語ハンドブック』朝山一玄著
「 鳥羽玉まんじゅう」を「鳥羽玉」だと思っていて、あんこたっぷりの味だと思っていた自分へ贈る言葉です。
「 鳥羽玉まんじゅう」は「 鳥羽玉まんじゅう」で存在し、おいしいのです。
これから、自分の中で固められてしまった「イメージ」「常識」にとらわれずに、どんどん新しい和菓子に挑戦していきたいです。
お店:京都 亀屋良長(かめやよしなが)
享和3年(1803年)京菓子の名門、菓子司・亀屋良安(三条通小川)を暖簾分けするかたちで創業。初代は良質の水を求め、京都四条醒ヶ井の地を選び、以来この地で営業しているそうです。
参考:亀屋良長ホームページより
創業したのは、江戸幕府の第11将軍徳川 家斉(とくがわ いえなり)の時代です。世の中は、江戸時代後期の文化文政時代(1804年~1830年)の最盛期として、化政文化(かせい ぶんか)といわれる町人文化が、江戸を中心としてが発展していたころです。
戦闘のない平和な時代が長く続き、おいしいお菓子を食べるのも当たり前になっていた頃なのでしょうか?
和装のお店「SOU・SOU」の和菓子を製作しているのがこのお店「亀屋良長」です。6年間、毎月のテキスタイルデザインとその絵柄からイメージして和菓子がつくられているそうです。
この和菓子の記録は本にもなっています。
和菓子の美しさ、楽しさに感動できます。