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奇妙な造形の桃山茶陶を楽しむ 展覧会「茶の湯の名品 破格の美・即翁の眼」畠山記念館

 

茶道具をのんびり楽しみたいときに、おススメなのが畠山記念館です。

大きな展示室、展覧会に疲れてしまったな~と思った時に行きたいと思う場所です。

さらに今の時期は庭は緑が楽しめます。庭を歩きながら大きく深呼吸をしてリフレッシュできます。

展覧会の内容 

[展覧会のパンフレットより]

畠山記念館の創始者畠山即翁の茶道具コレクションからの出品です。

特に、造形がおもしろい桃山茶陶を見ることができます。

本展の見どころが書かれたパンフレットによると、

桃山茶陶を味わう視点

桃山茶陶に貫通する造形の特徴には「歪み」「割れ」「傷」があげられます。この本来は失敗作とされるものを歓迎し、積極的に取り込んでいく精神こそ、既存の権威や伝統に縛られない時代精神の象徴といえるものでした。

と書いてありました。

これをふまえて作品をみると、ただ、おもしろい変わった形というだけでないんだな~、奥深いんだな~。と感じます。

お勧め度:★★★(★5満点)

この記念館で何回か茶道具の展覧会を見た方にとっては、みたことのある作品が多いな~と感じるかもしれません。

私も見たこともある作品が多かったです。

でも、何回見ても、形がおもしろく見飽きない作品が多いことが魅力的です。見たことがあると、きちんと記憶に残るほどのインパクトの作品であるんだなと感じます。

 

展示室には茶室が備えてあり、小さな庭がつくってあります。その中にはつくばいがあり水の音がピトピトと心地よい空間が広がっています。

そんな雰囲気の中で、のんび~り畠山氏がコレクションした茶道具を堪能できます。

混雑度:★(★5満点 多いほど混んでます)

平日の3時半ごろに行きました。

天気がイマイチだったこともあり、人は少なかったです。

人が少ないからか、しゃべっている人の声はけっこう響きます。年配の方は声が大きいこともあって(耳がとおいから?)、気になってしまいました。

所要時間

じっくりみて20分程度です。

もう一度気になる作品は、じっくり見て30分ぐらいで見終わりました。

感想

入口は、御屋敷に入るような雰囲気です。

ちいさな展示室に、お宝のような茶道具がぎゅっと詰まっています。

 

特に今回は、男らしいごつごつした、変わった形をした、土を感じる茶道具が多かったため、見飽きないお道具たちが揃っていました。

長い間大事にされている茶道具たちからは、歴史のにおいがしてきます。

これらのお道具で茶の湯を楽しんでいた、畠山即翁が見えるようです。

そして彼が、道具たちを「どう?いい形でしょう?案外こう見えて手に馴染む茶碗なんだよ。」とか私に教えてくれているような気分になってきます。

 

この記念館では、いつも雰囲気のある心地よい展示室の空間を楽しんでいます。今回、学芸員の人が茶室のなかのお花に霧吹きで水をかけたり、つくばいのある庭の石に水をかけたりしているのを見ました。常に、きちんとよい状態を保っていてくれているんだな~と思いました。

家に持って帰りたい・気になった作品

万歴赤絵輪花共蓋水指(ばんれきあかえりんかともぶたみずさし)

明時代16~17世紀

無骨なお道具が多いなかで、かわいらしい水指でした。

花の形をしていて、異国(中国)の賑やかな市中の人々の絵が描かれている作品です。

土ぽいお道具で組み合わせたなかに、赤絵の水指があると、一気に明るさが感じられます。

割高台茶碗(わりこうだいちゃわん)

朝鮮時代16世紀

割れ過ぎだよね~と、つっこみたくなる茶碗です。

手に持った時はどんな感じなのか知りたいです。痛いのかな?

この作品は漫画「へいげもの」にも登場するそうです。

粉引茶碗 銘 松平(まつだいら)

朝鮮時代16世紀

ゴツゴツと土ぽい茶色のお道具に囲まれて白いお茶碗が登場しました。まっ白でなく、うす黄色のような茶碗は、あるだけで気品とかわいらしさを感じます。

ほっこりするお茶碗でした。

そして、抹茶がさわやかに映えそうなお茶碗です。 

赤楽茶碗 銘 早船(はやふね)

楽長次郎 桃山時代16世紀

長次郎にしては、カサカサ度が少なめのお茶碗でした。

長次郎らしく小さめサイズです。

茶碗全体に広がっている亀裂?がおもしろい作品です。

お楽しみ①掛軸や屏風も楽しめます

国宝の『林檎花図』も見ることができました。

また、雪村周継(せっそんしゅうけい)筆の『竹林七賢図屏風』も見応えあります。

展覧会の基本情報

2017年4月8日(土)~6月18日(日)

畠山記念館