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見るほど使うほどに良さがでてくるモノがほしい 展覧会 早稲田大学『茶の道具』

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早稲田大学の構内にある會津八一記念博物館で行われている『茶の道具』を見てきました。

下は、博物館にある「富岡重憲コレクション展示室」のパンフレットです。ここで、「茶の道具」は見ることができます。展示内容は年に数回変わります。東洋陶磁の一番下の作品「織部竹耳水指」は今回見ることができました。

展覧会の内容 

富岡重憲コレクション展示室にて

富岡氏は「茶を喫するためには茶碗と茶筅(ちゃせん)があればよい」と言っていたそうです。そのためか茶道具の中では茶碗の数が多く、計50碗余をあつめています。この茶碗の中から、江戸時代前期の茶人・久田宗全(ひさだそうぜん)(1647-1707)や楽家(らくけ)六代の左入(さにゅう)(1683-1739)の作を含む和物茶碗、禾目天目(のぎめてんもく)などの唐物(からもの)茶碗、三島(みしま)や井戸(いど)とよばれる高麗(こうらい)茶碗を合わせて20点ほど選びました。それに烏丸光広(からすまるみつひろ)(1579-1638)作の茶杓(ちゃしゃく)、茶入(ちゃいれ)と中次茶入(なかつぎちゃいれ)、釜に水指(みずさし)、竹や古銅の花生(はないけ)、床を飾る軸物等、さまざまな道具を添えて展示します。

「早稲田大学 會津八一記念博物館」ホームページより

「茶碗と茶筅があればいい」と言った人らしく、さっぱりとしたお道具が並んでいます。その割に見れば見るほどに、じわじわとお道具の良さが伝わってくる不思議な感じをうけました。

お勧め度:★★★★(★5満点)

作品は38点程度ですが、さまざまな種類のお道具が見られます。重要文化財などの「THE名品」があるわけではないのですが、「実際に使ってみたいな~」と思うお道具が並んでいるので飽きることなく見られます。

特に男性の茶人におススメします。

嬉しいことに無料で見ることができます。

混雑度:★(★5満点 多いほど混んでます)

ちらほら人はやってきますが、この展示室をお目当てにきているという人は少なそうでした。展示室に一人ぼっちの時間もけっこうあります。(学芸員さんは常駐してくれています。)

自分のペースでゆっくり楽しめました。

所要時間

じっくりみて20分程度です。

2周しました。見るほどにおもしろくなってきたので、もう一回見てもいいかな~と思ってしまいました(笑)

感想

私もこんな風に、実際に使いこめるようなお道具を集めてみたいと思わせてくれました。お茶碗は、どのお茶碗も「抹茶がおいしそうに飲めそう」と感じました。また、水指、茶杓、茶入、花生、軸なども見られますので、お得感満載です。

派手さはないですが、センスのよさとお茶がおいしく点てられそうなお道具たちを見ることが楽しかったです。

家に持って帰りたい・気になった作品

 黒赤一双茶碗 赤は銘「寒山(かんざん)」黒は銘「拾得(じっとく)」

仁阿弥道八(にんあみどうはち) 江戸時代後期19世紀

どっしりした温かみのある茶碗に「拾得」「寒山」の文字がうっすら見えます。

この茶碗と一緒に墨画が飾ってあります。こちらは「寒山拾得図」誠拙周樗(せいせつしゅうちょ 1746~1820)で、寒山と拾得の対福になっています。

こんなふうに、同じ題目の茶碗と軸といったお道具が並んでいるのはおもしろい展示です。

ちなみに、寒山拾得とは、

中国,唐の伝説上の2人の詩僧。天台山国清寺の豊干禅師の弟子。拾得は豊干に拾い養われたので拾得と称した。寒山は国清寺近くの寒山の洞窟に住み,そのため寒山と称したといい,樺皮を冠とし大きな木靴をはき,国清寺に往還して拾得と交わり,彼が食事係であったので残飯をもらい受けていた。ともに世俗を超越した奇行が多く,また多くの詩を作ったという。(中略)

寒山,拾得の実在そのものを含めて真偽のほどは確かめがたい。後世に禅僧などが彼らのふるまいや生活に憧れ,好画題として扱うことが多かった。

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

僧の名前なんですね。

寒山と拾得の二人の僧。寒山が経巻を開き、拾得がほうきを持つ図は、禅画の画題。

デジタル大辞泉の解説

確かに、軸の絵ではわかりづらいですが、拾得は「ほうき」と寒山は「経巻(のようなもの)」をもっています。

禅画の好題材となったほかにも、文芸・芸能の題材にもなり、新舞踊劇では坪内逍遥作、森鴎外(おうがい)の短編小説などがあります。

坪内逍遥は早稲田大学の教授を務め、同じく早稲田大学の構内には彼の名前のついた「坪内博士記念演劇博物館」もあるので繋がりがあるのも狙った展示なのかな?と感じました。

お楽しみ①その他のコレクションも楽しめる

その他の絵画、彫刻、中国の金属器といった早稲田大学のコレクションが見ることができます。

特に大階段を飾る「明暗」横山大観・下村観山の作品は見応えがありました。

ずっと眺めていたい作品です。

下はコレクションのパンフレットの一部です。

博物館は建物も素敵です。

『明暗』は建物の中で見ると神々しく見えます。

ホームページには、「早稲田大学會津八一記念博物館東洋美術作品総合データベース」があり、コレクションの写真をみることも可能です。

展覧会の基本情報

2017年3月1日(水)~4月28日(金)

早稲田大学會津八一記念博物館1F 富岡重憲コレクション展示室