展覧会『シャセリオー展―19世紀フランス・ロマン主義の異才』に行ってきました。
シャセリオーって誰よ?レベルの私ですが、そんな展覧会にかぎって感動できることも多いのでちょっと期待もしながらの鑑賞です。
- 展覧会の内容
- お勧め度:★★★(★5満点)
- 混雑度:★★(★5満点 多いほど混んでます)
- 所要時間
- 感想
- 家に持って帰りたい・気になった作品
- お楽しみ①音声ガイド
- お楽しみ②シャセリオーの女性関係
- 展覧会の基本情報
展覧会の内容
フランス・ロマン主義の異才テオドール・シャセリオー(1819-1856)の芸術を日本で初めて本格的に紹介するものです。
アングル門下の異端児テオドール・シャセリオーは、10代の初めに師に入門を許された早熟の天才です。
37歳で早逝したことや代表作の壁画が破壊されたこともあって正当な評価が遅れ、フランスでも回顧展の開催は1933年と2002年を数えるのみです。
展覧会ホームペーヒより
フランスでもメジャーとはいえない画家なんでしょうか?これから、メジャーになるのかしら?
名前ぐらいは覚えておこうと思います。
お勧め度:★★★(★5満点)
日本ではあまりメジャーではない画家ですので、知っていると「お~~。」と思われるカモ?しれません。
メジャー作品に飽きた方におススメします。
イケメン画家で、モテモテだったようです。どんな男性が女性にもてるのか知りたい男性にもおススメします。
混雑度:★★(★5満点 多いほど混んでます)
平日の10時ごろに行きました。
人気のある画家の展覧会というわけではないからでしょうか空いています。
どちらかというと西洋美術館をみるついでの人が多そうでした。
春休み中で、ご家族連れなどが目立ちました。お昼近くには人が増えてきましたが、広い美術館ですので混んできても気にならない程度でした。
所要時間
50分くらいで見終わりました。
音声ガイドの五郎さんのコラムを2回聞き、気にいった作品も見直しての時間です。
感想
37歳という早い年齢で死んでしまった画家です。
一番初めに見た「自画像」からも、作品を見ていても、線の細そうなナイーブで病弱な画家のイメージが浮かびます。
そして、女性にもてそうな感じの男性です。(実際にもモテモテだったようです。)
女性が、魅力的に描かれている作品が多いなあ~と感じました。
作品に強烈なインパクトはないのですが、アルジェリアを旅して描いた作品は、オリエンタルな雰囲気があり印象深かったです。画家本人と同じく作品も線は細いですが、生き生きした生命感みたいなものがでていました。
展覧会の前半で見た、パリで描いている肖像画や神話をモチーフにした絵を比べると、別人が描いたような感じがします。
家に持って帰りたい・気になった作品
①「マクベスと3人の魔女」
ドラマッチクな空気感あふれる作品です。
風が強くなる春に、玄関に飾りたいです。
②「東方三博士の礼拝」
マリア様が美しく神々しい作品です。モデルは当時のお付き合いしていた女性(なんと人妻!)だそうです。
こんなにきれいに描いてもらえるなんてうらやましい。
絵からも彼女への愛を感じてしまいました。
お楽しみ①音声ガイド
スペシャルナビゲーターは、大好きな山田五郎さんです。五郎さんと二人で展覧会をみているような気分になれました。
山田五郎コラム
「新古典主義、ロマン主義、象徴主義とは?」
「19世紀ヨーロッパを風靡したロマン主義」
「演劇界と深く交友したシャセリオー」
は、美術に詳しくない私にとって役立つコラムでした。
お楽しみ②シャセリオーの女性関係
モテモテだったシャセリオーがつきあっていた女性アリス・オジーとの関係が、メロドラマのようでした。
『泉のほとりで眠るニンフ』で描かれたこの女性のモデルは恋人のアリス・オジーという女性です。魅惑の美しさが伝わってきます。
彼女は女優で、フランス国王の息子やその他多くの有名人と浮名を流したというモテモテな女性。『レミゼラブル』の作者であるヴィクトル・ユーゴーにいたっては父子で夢中になったという話もありような女性です。
その彼女との別れの原因とされている作品が『16世紀スペイン女性の肖像の模写』です。こちらも美しい女性が描かれています
音声ガイドによると、この絵にはストーリーが隠されています。
これは、シャセリオーの若い頃の作品で、師のアングルが「決して手放さないように」と約束させた作品といわれている。
しかし、彼は恋人のアリスから欲しいと言われこの絵をアリスにあげてしまう。
その後、アリスがこの師アングルと弟子シャセリオーの約束を茶化したことにシャセリオーは怒り、絵をナイフで切り裂いてしまう。しかも、これがきっかけで二人は別れてしまう。
この作品は、返された作品をがシャセリオー本人が修復したもの。(傷が少し見える)
シャセリオーの死後に、年老いたアリスはこの作品を見て涙を流した。それを見た作品の持ち主はアリスにこの絵を贈ったという。
というような話でした。
ちょっとドラマになりそうな話じゃない。ちょっとしたことですれ違うふたり。でも心では、別れたくないのに・・・。みたいなシーンが浮かびました。
展覧会の基本情報
2017年2月28日(火)~2017年5月28日(日)
上野 国立西洋美術館