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東京 展覧会 六本木国立新美術館『ミュシャ展』 絵画からあふれだす祖国への愛に感動

東京六本木でおこなわれている展覧会『ミュシャ展』に行ってきました。

素敵なポスターが有名なミュシャですが、今回は絵画の大作「スラヴ叙事詩」が20点揃って来日しています。

「スラヴ叙事詩」は、画家の祖国であるチェコ、プラハでのスラブ民族の栄光と困難を描いた作品で、この中で、自由への戦い・平和への祈りを表しているそうです。

混雑は避けられそうもないですが、ぜひ見ておきたい展覧会です。

ミュシャは、

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1860年7月24日 - 1939年7月14日)は、アール・ヌーヴォーを代表するグラフィックデザイナー。「ミュシャ」という表記はフランス語の発音によるものであり、チェコ語の発音を日本語表記するとCs-Alfons Mucha.ogg 「ムハ」または「ムッハ」となる[ヘルプ/ファイル]。
多くのポスター、装飾パネル、カレンダー等を制作した。ミュシャの作品は星、宝石、花などの様々な概念を女性の姿を用いて表現するスタイルと、華麗な曲線を多用したデザインが特徴である。イラストレーションとデザインの代表作として『ジスモンダ』『黄道12宮』『4芸術』などが、絵画の代表作として20枚から成る連作『スラヴ叙事詩』が挙げられる。

[Wikipediaより]

展覧会の基本情報

2017年3月8日(水)~2017年6月5日(月)

国立新美術館 企画展示室2E

混雑度:★★★★★(5満点中・多いほど混んでます)

金曜日の5時すぎに行きました。

「まだ始まったばかりだし、すいているかな~」と期待していましたが、混んでいます。

平日は待ち時間がでるくらいの人気だと思われます。

特に若い人に人気のようです。

また、同じ国立新美術館でおこなわれている『草間彌生 わが永遠の魂』と掛け持ちで見る方が多いようです。(水玉のショッピングバックを持っている方を多く見ましたので)

公式ホームページから見られる「ツイッター」で混雑状況は確認できます。

混んでいると快適な空間は望めないですが、展覧会の中の作品は大きいので、ほとんどの方が遠くから見るので、ぎちぎちに混んでいて作品が見られないことはないと思います。

ただ後半の作品は、ポスター等の小さめの作品ですので、じっくり見たい方は並んで見ることになります。

所要時間

1時間半程度です。

今回の目玉の「スラヴ叙事詩」は2度見ました。

混雑が予想されるので、後半のポスター等をじっくり見たい場合はもう少し時間がかかると思います。

ミュシャといえば、ポスターも人気ですのでこちらを楽しみにしている方も多いようです。

音声ガイドのナビゲーターは檀れいさんでした。

お勧め度:★★★★(5満点中)

展示室に入るだけで、大作に囲まれますので「わあっっ!」と声をあげてしまいそうになるぐらい、興奮できる展覧会です。

今は、世界が簡単にネットで繋がり、どんな遠い国も身近に感じることができるようになっています。そのような環境の中で、チェコという国について、表面(人口、場所、面積等)からは知ることのできないことを、感じられるチャンスとしておススメします。

さらには、平和や戦争といった壮大なテーマすら感じられる展覧会です。

そして、自分は、自分の国「日本」についてどんな風に思っているのだろうかと再確認できるような気がします。

春休みに若い人たちに、特におススメします。

ミュシャのポスターを見たい方にとっては、ちょっと物足りないかもしれません。

展覧会の内容 

「スラヴ叙事詩」が最大の目玉です。全20作が揃って来日しています。チェコ国外では世界初公開です。今後、日本では揃って見られることは無いかもしれません。

この「スラヴ叙事詩」の魅力はその大きさです。巨大なカンヴァスに描かれた20点の絵画から構成される作品は、他に類例がないといわれています。

また、美しい女性像や流麗な植物文様などの華やかで洗練された、ポスターや装飾パネルを見ることもできます。

家に持って帰りたい作品

①『ヒヤシンス姫』

[展覧会パンフレットより] 

私的には、ミュシャといえばかわいらしい女性の「ポスター」のイメージが強いので、こちらの作品を家に飾りたいです。

ただ、ぱっと見ると、背景も人物も漫画チックでかわいいなと思うのですが、じっくりみると「あれ?腕太くない?男の腕みたいだけど。」・・・。

よく見たら、みんなどの女性も腕が太すぎです。

じわじわと、ちょっと怖い。

なので、廊下に飾ろうと思います。

②『四つの花「カーネーション」「ユリ」「バラ」「アイリス」』

[展覧会パンフレットより] 

これぞミュシャという作品です。(私的に)

ステキ。

この絵を見ていたら春の洋服が早く着たくなったので、クローゼットの内ドアにかざりたいな~。

洋服に花の香りが移りそうなくらい、絵から花の香りがただよってくるようです。

③『スラブの連帯』

プラハ市民会館の天井画として描かれたものです。

円形の天井に、真ん中には羽根を広げ飛翔する鷲の姿の影が描かれ、その周りには天国の情景や天国を遠くに望みながら集まる人々の姿が描かれています。

エルメスのスカーフのデザインにありそうです。

感想

作品を見ることで、スラブ民族の歴史を通して、ミュシャが「平和」を強く願っていたことを感じます。

島国に住む日本人として、私はあまり民族ということを意識することが少ないのですが、「スラヴ叙事詩」を見ることで、その民族が国を勝ち取ったということは、喜ばしいことでありながら、そこに至るまでに流れた血や命に、そむくことなく見つめることを通して、さらに自分の民族や国を愛することができるのだな~と強く感じます。

お楽しみ1:撮影可能エリアあり

「スラヴ叙事詩」の5枚が写真撮影可能です。

★『イヴァンチツェの兄弟団学校』

こちらを見ている若い男性はミュシャ自身の若いころをモデルとして描いたそうです。

聡明な感じのイケメンです。

★『ロシアの農奴制廃止』

唯一「ロシア」を描いた作品。クレムリン宮殿前の聖ワシリー大聖堂(赤の広場)が舞台。人々の格差が無くなるような祈りを込めているそうです。

★『聖アトス山』

絵の左側からそそぐ光が神々しい作品です。

★『スラヴ菩提樹の下でおこなわれるオムラジナ会の誓い』

このハープを奏でる女の子はミュシャの娘がモデルで、

この裸の男性はミュシャの息子がモデルだそうです。

★『スラヴ民族の賛歌』

右下の青い部分は、神々たちの神話

左上の黒い部分は、敵による支配

その上の赤い部分は、中世のスラブ民族の躍進と戦争

黄色の部分は、チェコの独立・自由と平和

を表しているそうです。

お楽しみ2:音声ガイドは必須

チェコやスラブ民族に詳しくない私にとっては、必須のガイドです。

絵を見るだけでは分かりづらい説明を耳で聞きながら、じっくり絵を見られました。

また素敵な音楽、有名なスメタナの『わが祖国』モルタウも聴けて、チェコの世界にどっぷり浸れます。

公式ホームページには、一枚一枚の絵の説明もあります。こちらも事前に見ておくといいかもしれません。

お楽しみ3:もっとミュシャを楽しめる!

ミュシャ好きの方には嬉しいことに、2017年6月2日~7月2日には、伊藤忠青山アートスクエアにて『ミュシャ』の展覧会が開かれます。

こちらは、商業ポスター等の作品をメインになっているようですので、またちょっと違ったミュシャが楽しめそうです。(こちらの方が馴染みのある作品が多そうです)