『赤木明登 茶の箱展』を見ました。
東京の銀座をぶらっとしていて見つけた展覧会。
数年前に見た赤木明登さんの本『茶の箱』を見てから、こんな機会が訪れるなんて!!
赤木明登さんの茶箱を見られると興奮してしまいました。感動です。
赤木明登さんは、雑誌などでよくお見かけする有名な「塗師」の方です。
普通の暮らしに似合う、素敵な漆器を作られています。
『赤木明登 茶の箱展』基本情報
2017年2月25日(土)~3月12日(日)
思文閣銀座にて
東京銀座の東急プラザの近くです。
平日の夕方でしたが、中に入ると何人か人がいましたので一人で緊張することもなく、のんびりとゆったり作品を見ることができます。
『赤木明登 茶の箱展』の内容
赤木明登さんの作品が主になった茶道具を組み合わせた、茶の箱が展示されています。
今回の展示では、新作の「茶の箱」12点が、バランス良く並んでいます。
新作ですが、以前に本で見たスタイル自体は変わっていません。
全体的には、黒・白・紅・金・銀といった色のお道具たちが組み合されています。
派手な感じ、かわいい感じの色合いというわけではないのですが、どれもが、実際に使いこなしたいと思えるようなお道具です
そして、小さなお道具なのに、すごい存在感を感じさせるお道具たちです。
それぞれのお道具に合わせてつくられた、渋い袋も素敵です。
お道具には触ることもできました。
『赤木明登 茶の箱展』 関連本『茶の箱』

- 作者: 赤木明登,内田鋼一,長谷川竹次郎,ヨーガンレール,安藤雅信
- 出版社/メーカー: ラトルズ
- 発売日: 2004/10/01
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 21回
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この本「茶の箱」では赤木明登さんの他に、
安藤雅信さん(彫刻家、陶芸家)
内田鋼一さん(陶芸家)
長谷川竹次郎さん(鍛金師)
ヨーガン・レールさん(デザイナー)
の作品で組み合された茶の箱が16点も見ることができます。
それぞれの作品は、皆それぞれちょっと個性的な男性たちが作っているのに。
道具の素材の違うのに。
なぜか統一感があるのが不思議です。
それが素晴らしいのです!!
ヨーガン・レールさんの一つ一つの道具につくられた袋が、統一感を出しているのかな~??
本の中のどの茶の箱は、どちらかというと男性的なイメージがあります。
小さいお道具たちなのに、かわいいというよりもかっこいいです。
私のお気に入りは茶の箱3
赤木さんの作品の桃?の形を紅色の漆器の茶箱がかわいい。
中には、安藤さんの白い茶碗。
その茶碗の中には黒の漆塗りの茶入が入っています。
そして長谷川さんの渋い銀の茶杓がアクセント。
レールさんの男性的な裂地を組み合わせた袋も素敵です。
まったく違う柄の裂地ですが、同系色の織を合わせていることで、こんなに統一感がだせるなんて感動します。
本『茶の箱』での男同士の対談
本の中には、作り手による座談会・対談があります。
このなかでは、ものをつくる人、職人・芸術家である男たちの会話のはしばしにライバル心・相手へのリスペクトが見られるような気がします。
女性同士の会話ではない、男同士の会話にちょっと色気を感じてしまいます。
「茶道」という概念にこだわらない、いやそのこだわらないということにも、こだわらないという茶の箱(あえて「茶箱」といわない「茶の箱」)をつくったという話がおもしろいです。
好きなものを集めるといっても、茶道の「茶箱」にはいろいろな「本来ならば・・・」が存在することがあるのですが、「そんなのどうでもいいよ。」と言える男の人の大胆さがカッコよすぎます。
この本が出版されたのが2004年。この対談のときからもう15年近く経っていますので、今の彼らが集まったらどんな会話がなされるのだろう?
久しぶりにこの対談を読んで、「茶道」に対してちょっとモヤモヤした気持ち(お茶会でのおばさんたちの正客を巡る醜い争いを見たときのなど)を持っていた自分がバカらしくなりました。
もっと違う次元で「茶道」を楽しんでいきたいと思います。