日本語の美しさに感動することがあります。
それは、茶道のお稽古の時に学ぶ、お茶碗やお茶杓(抹茶をすくうスプーンみたいなもの)、和菓子の銘(名前)を知る時です。
銘(名前)には、季節の言葉や禅語がよく使われます。
聞いたこともないような日本語を聞くこともありますが、美しいな、かわいいなと思うことも多いのです。
これが、けっこう難しくて、銘(名前)を聞いても「なにそれ?」と思うことも多いのが今の私の現状ですが(笑)
無知の自分を卒業するためにも、2月に使いたいかわいい季節の言葉を調べてみました。
今回は「梅」と「鶯(うぐいす)」に注目しています。
かわいい季節の言葉(銘):梅
2月。お茶席には「梅」が多く登場します。
花で「梅」を生けたり、お茶碗などのお道具に「梅」がついているものも多いので、「梅」が同じ茶室(お茶席)の中でダブってしまうことも多くあります。
お茶席では、同じものをあらわす銘や紋様が重なると、
2つ・・・たまたま重なってしまったとして使いません。
3つ以上・・・考えられて使っているとして好まれます。
ですので、注意が必要です。
1月~2月初旬に使いたい梅
*寒梅(かんばい)
*早梅(そうばい)
どちらの言葉も、ちょっと寒そうな雰囲気がでています。日本酒ぽい銘(名前)でもあります。
梅の別名
*花の兄(はなのあに)
では、「花の弟」はなんでしょうか?「菊」です。
*此花(このはな)
出光美術館所蔵で、この銘の黒楽茶碗があります。楽家三代道入(ノンコウ)の作品です。
*好文木(こうぶんぼく)
梅の異名。晋の武帝が学問に親しむと花が開き,学問をやめると花が開かなかったという故事に由来する。
三省堂大辞林より
*春告草(はるつげくさ)
梅をふくむもの
*飛梅(とびうめ)
菅原道真公にちなんだ飛梅伝説がある。
伝説の語るところによれば、道真を慕う庭木たちのうち、桜は、主人が遠い所へ去ってしまうことを知ってからというもの、悲しみのあまり、みるみるうちに葉を落とし、ついには枯れてしまったという。しかして梅と松は、道真の後を追いたい気持ちをいよいよ強くして、空を飛んだ。ところが松は途中で力尽きて、摂津国八部郡板宿(現・兵庫県神戸市須磨区板宿町)近くの後世「飛松岡」と呼びならわされる丘に降り立ち、この地に根を下ろした(これを飛松伝説と言う)。一方、ひとり残った梅だけは、見事その日一夜のうちに主人の暮らす大宰府まで飛んでゆき、その地に降り立ったという。
[Wikipediaより]
*梅月(ばいげつ)
暗い夜の中で、月に照らされた美しい梅の風景が目にうかびます。
*夜の梅(よるのうめ)
「とらや」の小倉羊羹の銘になっています。
「春の夜の闇はあやなし 梅の花 色こそ見えね 香やは隠るる」『古今集』(春の夜の闇は無意味だ。梅の花の色が見えなくなってしまうが、その素晴らしい香りだけは隠れようもない。)『夜の梅』は、切り口の小豆を夜の闇に咲く梅に見立てて、この菓銘がつけられました。
株式会社虎屋ホームページより
梅が香(うめがか)
五島美術館所蔵で、この銘の志野茶碗あり。
かわいい季節の言葉なのに、茶碗はごつい茶色の茶碗なんです。不思議です。
福梅(ふくうめ)
和菓子にの銘(名前)でもよく使われています。
縁起がよい、かわいい言葉です。お正月には、よく「福梅」と名前をつけた和菓子が登場します。
かわいい季節の言葉(銘):鶯(うぐいす)
[Wikipediaより]
「梅」とともに2月によく使われます。
この時期は、どの和菓子屋さんでも「うぐいすもち」を販売しています。
銀座と南青山にあるおしゃれな和菓子屋さん「HIGASHIYA(ヒガシヤ)」でも、この時期はうぐいすもちを販売しています。
●春告鳥(はるつげどり)
鶯の別名としてつかわれる、かわいい言葉。
●鴬宿梅(おうしゅくばい)
有名な故事があります。
村上天皇の時,清涼殿の梅が枯れたので,紀内侍(きのないし)の家の梅を移し植えさせたところ,枝に「勅なればいともかしこし鶯(うぐいす)の宿はと問はばいかが答へむ」の歌が結び付けてあり,これを読んだ天皇は深く恥じたという故事。
三省堂大辞林より
●初音(はつね)
美しい鳴き声が聞こえてきそう。
その年最初に鳴く鶯の声「初音」(はつね)は、『源氏物語』五十四帖の巻名のひとつ。第23帖。玉鬘十帖の第2帖。巻名は明石の御方が明石の姫君に送った和歌「年月を松にひかれて経る人に今日鴬の初音聞かせよ」に因む。
Wikipediaより
まとめ :かわいい季節の言葉(銘)2月「梅」と「鶯」
「梅」「鶯」をあらわすのにも、いろいろな言い方があることを知っていると、素敵な大人の気分になります。
いろいろ調べてみて、なによりも日本語の美しさ、かわいさに感動しました。
茶道のお稽古でも、つかってみたいと思いますし、普段の生活にもこんなにかわいい日本語をつかっていけたらいいな♡。
2018年2月に出版された本も参考になります。
以前にも「梅」についての記事を書いています。
素敵な本『和の菓子』から「梅」をピックアップしています。
美しい和菓子を目で楽しめる1冊。和菓子の銘(名前)にも注目!です。

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