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茶道 お茶会では掛軸の謎を解け!

お茶会でのお茶席の掛軸は重要なお道具で、そこに亭主のそのお茶席への思いが強くあらわれています。

下の写真は上野の東京国立博物館でみた掛軸です。

絵の場合は、単純に「桜が咲いていて下には草花も咲いていて美しい掛軸だな~」と見た目はわかりやすいですが、その奥にはさらにいろいろな意味がふくまれていそうな気がします。

そもそも書いていある文字も読めませんし・・・。

『桜に春草図』(さくらにはるくさず)尾形乾山

桜の木の下につくし、たんぽぽの草花が描かれています。にぎやかな雰囲気です。

書かれている和歌は室町幕府の9代将軍足利善尚(よしひさ)に対して詠まれたもの。桜を将軍の権力にたとえた祝いの歌。「みるたびの けふにまさしと思うこし 花は幾世のさかりなるらん」

この掛軸なら、お祝いのお茶席、春を楽しむお茶席などでも使えると思います。

私がこの軸を持っていたら、卒業・入学のお祝いのお茶席に掛けてあげたいなと感じました。

だれかの結婚のお祝いとかもいいかな~、自分のお誕生日にも掛けちゃおうかなと妄想はふくらみます。

 

どのお茶席も亭主がお茶会の趣旨や使用するお道具との取り合わせを考えて、考えつくして用意してくれた掛軸です。

たいていのお茶席ではご亭主から説明がありますので「ふむふむ」と理解したり、「そんな意味や組み合わせで用意してくれたのか~」と感動したりとするのも楽しいひと時です。

もっといろんなことを知って、亭主の説明なしでも亭主の考えや趣向を自分で「おっ!」と気づけるようになっていきたいなと思います。

 

先日行ってきたお茶会で、それぞれのお茶席に掛っていた掛軸についても調べておきます。お茶会は「とあるお祝いのお茶会」でしたので、どのお茶室でもおめでたい軸がかかっていました。

①慶雲生五彩

けいうんごさいをしょうず

縁起の良い雲が5つの色を見せているという意味。

「慶雲」はめでたいことの前兆としてあらわれるといわれており、その特徴は雲のようで雲でなく、煙のようで煙でなく、気体のようで気体でなく、香りを発するがごとくで、五色にいろどられているという。そこからは甘露の雨が降るともいわれる。

日本でも歴史上一度、めでたい雲があらわれて「慶雲」という年号に改元されたことがある。

「瑞雲生五彩(ずいうんごさいをしょうず)」も同じ意味。

五色はふつう赤・青・黄・白・黒をいう。

飛行機で空に作り上げた東京オリンピックの五輪のマークを思い出しました。もちろん、実際に見たわけではなく映画『ALWAYS 三丁目の夕日‘64』でみたんですが。

雲が5色は想像できません。もしも現れたら、めでたい雲というより不吉な予感がしちゃいそうです。

②慶無所住而其心

まさにじゅうするところなくしてしかもそのこころをしょうずべし

すべてのものはいろいろな原因や条件が重なって仮に形をとってあらわれているのだから、そのなかのひとつでも欠ければ跡形もなく消え去ってしまう。だから、そのようなものに固定的条件を見出して執着し、あれこれ悩むのはおろかなことだ。

記念のおめでたいお茶席であり、それはまたこれからのスタートに対しての心構えを示すお茶席でもあったようです。

いろいろなことを経験して悟っただろう大先輩茶人の姿が頼もしかったです。

私は、いろんなものに執着してしまうことが多いのですが、このような気持ちを少しずつでも持っていけたら悩むことも少なくなりそうです。(特に人間関係とかに悩まなくなりそう。)

③和敬静寂

わけいせいじゃく

茶祖千利休居士が茶の湯の根本精神を要約した、いわゆる「四規」のこと。

「和」同じ仏性をもつものとしてお互いに認めあい一体化すること

「敬」人間の尊厳性をうやまうこと

「清」心身の汚れをはなれて清浄をたもつこと

「寂」四規も含めたすべてを捨てきって無執着の境地に身を落ち着けること。

「茶禅一味(ちゃぜんいちみ)」といわれるが、茶道の精神、仏教の精神、禅の精神とを融合して端的にまとめたもの。

こちらは、とても有名な言葉です。茶道を始めたころに教わった気がします。

おめでたい記念のお茶席に、茶人としての基本・初心を軸であらわしたようです。

茶道に限らず何に対しても、記念のような節目節目こそ基本を思い出し、初心にかえるような気持ちをもっていけたらいいな~と思います。

茶の湯に限らず、結婚生活や仕事でも「和敬静寂」をモットーにしたいです。

 

参考文献:『茶席で役立つ禅語ハンドブック』朝山一玄著